PowerEdge 14GとVMware (その2) 新ハードウェア BOSSについて

さて、こちらも過去記事からの継続です。

instructor8010.hatenablog.jp

 

Dell EMC PowerEdge14世代目からは、業界が最近力を入れているHCI分野のために”Boot Optimized Storage Solution (BOSS)”と呼ばれるハードウェア・オプションを準備しました。

見た目としては上の図のようなカードのことを、通称”BOSS(ボス)”と呼びます。

このカードは、その名前が示すようにシステムの起動の最適化を行ってくれるソリューションです。

 

例えば、このカードがなかった時代は、システムに搭載されたドライブは、以下のように利用されていたケースが考えられます。

ここでのポイントは、次の点です。

  • 同一コントローラー配下に、起動領域とデータ領域が接続されている
    これにより、ハードウェアコントローラーレベルで設定が両方の領域に対し共通化されてしまう
  • 起動領域のために、2スロット分のドライブが占有されており、これらはアプリケーションや仮想マシンに対し容量を2本分のドライブを割り当てられない

これまでの環境ではこのような課題がありました。

この状況に対し、Dell EMCは”内蔵デュアルSDカードモジュール(Internal Dual SD Card Module)”をリリースすることで、軽量なオペレーティングシステムであれば、それをシャーシに内蔵されるSDカードに搭載し、結果的にシステム前面のドライブを全てデータ領域に利用出来るようにアプローチしました。

VMware vSphere ESXiのインストールを行うことを考えれば、このIDSDMは十分な容量を提供してくれますが、Microsoft Windowsのようにフットプリントが大きいOSの場合はSDカードに依存しますがインストールがサイズ不足で難しいと感じる場合があります。

 

また、SDカードの耐久性の観点から採用を悩むユーザーもいると考えられます。

 

これらの課題に対し登場したのがBOSSです。BOSSは最大で2枚のM.2 SATA SSDを1枚のPCIカードに搭載可能で、この場合RAID 1が利用可能です。

 

次の動画は、BOSSに対しRAID 1を構成し、ESXi 6.5をインストールする手順を紹介しています。

www.youtube.com

 

是非これを機会にBOSSの導入も検討されてみては如何でしょうか。

最後になりますが、現時点(2017/10)ではBOSSの利用用途は、vSphereに於いてはESXiのインストール用途限定となります。

ソースはこちらです。

14G PowerEdge Servers: Root password and BOSS-S1 configuration on VMWare ESXi factory installations | Dell 日本

パススルーとして、1本または2本のSSDドライブとして見せることも出来ますが、基本的には耐久性の観点からハイパーバイザーインストールのみを想定した設計仕様となっていることが上述されています。

 

赤枠内のKBは以下2つです(上が英語版、下が日本語版)

 vSphere SSD and Flash Device Support (2145210)

  vSphere SSD とフラッシュ デバイスのサポート (2147723)

 

 関連情報

en.community.dell.com

Dell PowerEdge Boot Optimized Storage Solution – BOSS Data Sheet | Dell

Direct from Development – PowerEdge Boot Optimized Storage Solution (BOSS) – White Papers – TechCenter Extras – Dell Community

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