サーバー管理者のためのVMware NSX入門 – MACアドレステーブル(前編)

今回はサーバー管理者がVMware NSXを管理する際に、必要最低限知っておいて欲しいネットワーク知識として、MACアドレステーブルについて紹介します。

 

まずこれを語る前には、”ネットワークハブとネットワークスイッチの違い”を理解する必要があります。

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人間の世界でも、対個人間でのやり取りには様々な個人に対して付帯されている識別子が利用されることは一般的です。

  • 氏名
  • 会社名、所属団体名
  • メールアドレス
  • 電話番号
  • 住所

 

それぞれは異なる性質、異なるフォーマットですが一個人や一組織対して付帯されるものです。

 

ネットワークの世界ではこれに近いものとしては例えば次のようなものがあります。

 

今回のテーマにあるMACアドレスですが、一般的にネットワークインターフェイスカード(以下NIC)が持つポート単位で存在する識別子です。

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ここで本題に戻りますが、ネットワークハブもスイッチも、見た目は似ており、単一の筐体に多くのネットワークポートを持っています。

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ハブなのかスイッチなのか、パっと見ではわかりづらいです。

これらに対し、一般的にはLANケーブルを使い、コンピューターやサーバーのNICポートを接続します。

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物理レイヤーでの結線や見た目はハブもスイッチも同じです。

 

内的な通信方式の違いが、これら二者の違いです。

まずは、MACアドレスに対する振る舞いは次のように異なります。

  • ネットワークハブは、自身に接続されたデバイス(コンピューターやサーバー)のMACアドレス記憶しない

  • ネットワークスイッチは、自身に接続されたデバイス(コンピューターやサーバー)のMACアドレス記憶する(どのポートの先に、どのMACアドレスのデバイスがいるかを記憶する)

 

この、スイッチだけが持つMACアドレスと物理ポートの関連付け情報を”MACアドレステーブル”と呼びます。

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MAC Address Table Image

これにより、コンピューターやサーバーに対して通信データを送信する際に、次の違いが出ます。

  • ハブを利用している環境では、送信先ではないデバイスにも通信データが送られてしまい、無駄にネットワークの帯域幅を利用してしまう、セキュアではない通信となる。
  • スイッチを利用している環境では、スイッチはMACアドレステーブルがあるお陰で、通信先のみを選定してデータ送信を必要最低限な相手にのみ送信することが出来る。

 

つまり、スイッチは効率的な通信を行うデバイスであり、それはMACアドレステーブルのお陰である事が分かりました。

 

 続編として、次回はMACアドレステーブルの生成のプロセスと其の課題について触れたいと思います。

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