【VMware認定資格】 VCIX-NVへの道【VMware NSX-T編】

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【VMware認定資格】 VCIX-NVへの道【VMware NSX-T編】

この度2022年3月に受験をしたVCAP-NV Deploy試験に合格をした事で、無事VCIX-NVを取得できましたので、合格に至るために必要な情報、役に立つ情報をここにまとめたいと思います。

なお当ブログではVCAP-DCV DeployとDesignについては個別ブログで合格体験記をまとめておりましたが、NSX製品のVCAP試験の合格体験記はこちらの記事に一本化します。

免責事項

  • 本記事内で取り扱う情報は、試験対策に向けた記事ですが、試験内容については試験提供ベンダーが予告なくアップデートを行います。
  • アップデートについては可能であれば記事内に追記を目指しますが、記事の内容と実際の試験受験時の内容が乖離している場合は発生しえますので、この点はご留意ください。
  • 記事内でご紹介する参考URLなどは、提供元によるページ更新などに伴いリンク切れとなる場合があります。お手数をおかけしますが、その場合ネット上で当該サイトをご検索頂くようお願い致します。

本記事の内容はあくまでも合格を約束するものではなく、学習指針を立てるためのものです。
是非一流のITエンジニアに慣れるよう皆様の歩みのサポートになれば幸いです。

試験の感想

2つの試験ですが、難易度はやはり高めだと言えます。その理由は次の通りです。

難しいポイント 理由と対策

その1
試験は英語のみで提供

【理由】
これまでの経験からもVCAP以上のレベルは英語以外の言語で提供されたことはありません。

今後も日本語での提供は期待できないのと、また使用される単語もTOEICや英検などで使われるような一般的な単語ばかりではありません。

【対策】
英語受験のコツは、”VMware NSX-Tの製品ガイドを英語版で読めるようになること”です。これにより試験内で登場する単語に慣れることが出来ます。

その2
仮想化だけではなく
ネットワークの知識も必須

【理由】
VMwareの試験とは言え、仮想化だけでなく
ネットワークの知識を持っていなければ回答が出来ない試験です。

とは言え、生粋のネットワークエンジニアの方なら回答が余裕かというと
そうでもありません。

理由はUIは完全にVMwareベースかつ、ネットワークアプライアンスは仮想マシンとして提供されている形式のため使用するトポロジーやツール、用語がSoftware Defined Network独特です。

【対策】
個人的な意見ですが、VCP-DCV相当の実力とCCNA相当のレベルは持っていないと受験では苦戦を強いられると感じました。
(勿論VCP-NV取得済みでないとVCAP-NVも取得は出来ません。)

なので、上記資格取得(あるいはそれに準ずる学習)するのがベストです。
(宣伝で恐縮ですが、よければ当方の執筆書籍が参考になれば幸いです。)

その3
実操作環境の応答性がよくない
(Deploy試験限定)

【理由】
UI応答性については個人の感想や感覚に依存すると言えます。普段からNSX-TのUIを触り慣れている方はお馴染みかと思いますが、あれ以上でもあれ以下でもないです。

操作経験がある方はそこまで驚くことはないと思うのですが、英語での出題かつ応答性がスピーディーではない環境という制限からも時間をあまり無駄には出来ないという事は意識しつつ、タイムマネジメントと工程管理をしながらテンポよく問題を解いていきましょう。

【対策】
是非VMware Hands on Labを使用して各種機能の操作感に慣れておきましょう。

VCAP-NV Design(合格日 2021/02/11、2回目の受験で合格)

2つの試験のうち、先に受験をしたのでDesign試験からでした。理由は単純で、この当時NSX-TベースのDeploy試験がまだ存在していなかったからです。(詳細は後述)

とは言え、現在は両科目ともにNSX-Tベースのものが受験出来ますがDesign試験から受けるのか、Deploy試験から受けるのかは、どちらから行ったとしても大差はありません。

ただ、どうせ受けるのなら各試験の受験日が近い方が、学びたての知識が頭にキャッシュされている状態なので合格率が上がることは間違いないでしょう。試験自体は実操作は無く、単一または複数選択です。
(図内左下Formatの箇所参照)

操作スキルよりも設計関連のベストプラクティスを中心とした知識が問われる試験です。
設計に関する知識を得る方法としては、専用トレーニングを受講する、または設計系情報ガイドを読むの2通りがあります。

ここで言う専用トレーニングですが”VMware NSX-T Data Center: Design“という科目があります。
時間的及び予算的余裕があれば参加するに越したことはありません。

試験の形式は基本的には、”〇〇をしたい場合、どの機能(設定)を使用するか?”のようなイメージです。
製品機能ごとのユースケースなどを理解していれば、それを当てはめていくイメージです。

また、VMwareのDesign試験では定番ではあるのですが、”要件(Requirement) / リスク(Risk) / 制約(Constraint) / Assumption(前提条件、仮定)”の4つの用語を覚えておく必要があります。
これに関する詳細は、当ブログの別記事でご紹介していますのでそちらを参照ください。

トレーニングへの参加が難しい場合は、VMware社が提供する”VMware Validated Design”を読むことでカバーを出来ると言えます。詳細については本記事下部に掲載します。

VCAP-NV Deploy(合格日 2022/03/15、1回目の受験で合格)

本試験は、2022年2月1日に発表された試験です。2021年から試験のロールアウトが噂されていましたが、色々あって伸びていたようです。(製品のアップデートに伴う機能追加やアーキテクチャの変更など忙しかったですからね。やむを得ないと思います。)

試験は、VMware Hands on Labベースの環境に対して構成適用はトラブルシュートをしていくタイプの試験です。

不安を抱えつつ予約をして受験したのですが、思っていたよりは簡単な試験だった印象です。
どうしてそう思えたか、というと恐らく私が”VMware NSX-T”の担当講師をしていることは1つの理由です。

普段から、受講生の方から”実操作演習で、〇〇にPingが通りません”や”〇〇の設定に失敗します”と質問を受け、それを解決しているので試験自体はそれに大変近い印象がありました。なので普段から”操作”に加え”トラブルシュート”の経験を持てていた事は大変アドバンテージになったと言えます。

では、普段からなかなかそうした環境を持てない方はどうすればいいのか?
これについてはVMware Hands on Labでの操作演習を繰り返すことをお勧めします。
NSX-Tに関するラボ環境は2022年3月時点でも9つあります。(時期で下図は変動します)
特にこの中で実施したほうがいいものについては本記事下部に掲載します。

また、勿論ではあるのですが本試験に対応する推奨トレーニングコース(VMware NSX-T Data Center Troubleshooting and Operations 3.X)を受講するのは1つの対策になると言えます。私も、このコースの操作演習を行ってから試験に挑んだのですが、トレーニング内の操作演習の方が難しかったので、試験の方が優しく感じました。

必要なスキルセットと対策

必要なスキルセットと対策 コメント
NSX-T 3.xのVMware Docsを
英語で読む

出題文章は英語です。特に使用される英単語は英語版ドキュメントで良く使われるものが多いです。

英文や単語を少しでも把握できていればその分時間を節約できます。
勿論ですが問題を正しく回答するためにも英語の理解は必須です。

VMware Validated Designを
英語で読む

そもそもValidated Design自体は英語しか提供はありません。
通称VVDは、VMware社が提示するVMware製品展開方法やデザインのベストプラクティスです。

”ページ数も膨大であるため、正直どこを読めばいいのか”となりそうですが、特にNSX-Tのデザインに関係がある部分は次の箇所です。

勿論上記箇所だけで十分とは言えないのですが、まず最初に読むべき箇所はここです。製品設計や推奨設定値なを学ぶことが出来ます。

特にこの手の知識はDesign試験内で出題されます。

ネットワーク
基礎知識

最低限次の考え方は理解しておく必要があります。

  • スイッチング
    • VLAN/QoS/ブロードキャストなどへの理解
  • ルーティング
    • 動的/静的ルーティングへの理解
    • アドバタイズ/再配布への理解
    • ルーティングテーブルの読解
  • ファイアウォール
    • 一般的なファイアウォールの挙動
      (送信元/送信先/サービス/許可, 拒否, ドロップ)
  • ロードバランサ
    • ロードバランサを構成する際に登場する基本用語と仕組み
      (後述のスライドが大変参考となります。)
  • VPN
    • IPSecとL2VPNの基本

ここに挙げたものはほんの一部に過ぎませんが、こうしたネットワークの世界における各レイヤーの主要機能の用語や仕組みを抑えておく事は必須です。

 NSX-T実操作環境での操作経験

本ページ最下部記載のリンク内にある ” VMware Hands on Lab”にあるラボを一通り体験する。

全てのお題を自らの手で作業後、次の事は分かるはずです。

  • NSX-T UIのスピード感
  • 各種機能の設定手順

特にNSX-Tの一部の機能は、それ自体を設定するのに、予め設定を終えておかないといけないものが多くあります。例えば、トランスポートノードの設定時には、予めIPプールを構成しておかなければいけません。そうした依存関係を考慮した設定順序を把握することは、特にDeploy試験では重要です。

Pearson VUE提供の
ホワイトボードの活用

テストセンター試験の場合でも、自宅試験の場合でもピアソンVUEから提供される”ホワイトボード”を使用可能です。

自宅から受験をされる場合の仮想ホワイトボードはこちらのサイトから試しに使用することが出来ます。ホワイトボード // OnVUE // ピアソンVUE

特にDeploy試験の場合、これを活用して”問題の工程管理”を必ず行うべきです。

どの問題をどこまで解いたかがわからないと試験の進捗が分からないためどの問題が未回答であるかわからなくなってしまいます。

下図は自宅から受験した際に使用可能な”仮想ホワイトボード”の様子です。私の場合は以下のようにホワイトボード内に、Task一覧を作成して、ここにお題を○○○の箇所に書き込み、作業完了したものをCompleteとしています。画面下部の箇所はペイントソフトのような機能ですが、NSXの試験では使いませんでした。

 

役に立った資料とリンク

本記事で紹介した2つの試験の対策のために役立つリンクをこちらにまとめて掲載致します。

リンク名 Deploy
試験向け
Design
試験向け
Advanced Design VMware NSX-T Data Center試験概要 及び 試験詳細 ×
Advanced Deploy VMware NSX-T Data Center 3.x試験概要 及び 試験詳細 ×

VMware Validated Design – VMware Docs (6.2ベース)

 VMware Hands on Lab
(2022年版、2023年以降はリンクが切れる恐れがあります)

 ◎ ○ 

ネットワークエンジニアとして (ネットワークの基礎学習、復習に活用)

○ 

ロードバランサ再入門 (個人的に大変おすすめ)

あとがき

とうとう念願のVCIX二冠となりました。

VMware認定インストラクター活動も7年目ですが、現在はvSphere, vSAN, NSXを担当しているので、他のトラックに進むのではなく、ここからはVCDXにいよいよ入っていこうかと考えています。

VCDXは、VMware社提供の認定資格でも最上位レベルです。
製品を理解し、適切に構成できる知識をプレゼンテーション形式で披露する必要があります。

最近では、”VMware Cloud Foundation”を使用した環境では、VVDに準じた構成展開が行われます。
VCF環境についての学習も兼ねて、VCDXの準備をしていこうと思います。

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