久しぶりにDell Storage SCの講義を行いましたが、その中でvSphere ESXiに対するLUNマウントを実施しまして、パスの見え方について解説をしたので、記事にしてみたいと思います。
まず、今回の環境は次のようなトポロジーです。
ストレージの世界では、IOを発行する側がイニシエーター(Initiator)、IOを受けてデータを保持する側がターゲット(Target)と呼びますよね。
また、ファイバーチャネルの世界では、イニシエーターとターゲット間の接続にWorld Wide Name(ワールドワイドネーム、以下WWN)にて相互に識別をしますが、上図では緑色でそれを簡単に示しました。
本来WWNは、以下のように大変長いため、上図では末尾の文字だけを緑で書きました。
上記の環境を、vSphere Web ClientとDell Storage Manager(Dell Storage SC/PS用の管理ツール)で見た際には次のように見えます。
Dell Storage SCでは、1つのシステム内にストレージコントローラーが2つ存在し、冗長性とロードバランシングを提供します。
単一のボリュームは、この2つのコントローラーのうた1つをアクティブコントローラーと呼ばれるIOを提供してくれる役割に選定します。
同一ストレージシステム内に複数のボリュームが存在する場合は、ボリュームごとにアクティブコントローラーが異なります。(これによりIOの負荷が分散されます)
上図では、ボリューム名”VMware ESXiボリューム1″は、コントローラー”21106”がアクティブコントローラーであり、このコントローラーがダウンした場合はコントローラー”21105”がIO提供をするためのセカンダリコントローラーとなっています。
ご覧を頂くと、アクティブコントローラー側が持つ全てのWWNが、ターゲットWWNとして見えていることが確認出来ますね。
ちなみに、アクティブコントローラーを再起動し、コントローラーの疑似障害を発生させました。
Dell Storage SCは、ターゲットWWNをNPIVによって”仮想WWN”を生成し、コントローラーの障害が発生した場合に、仮想WWNをバックアップコントローラーに移動させ、IOパスをフェイルオーバーさせます。
以上です。ストレージの見え方というのは製品の仕様によっても少々異なることがありますので、その点ご容赦ください。ちなみにイニシエーターWWNは次のようにトポロジーと紐付いています。
加えて、4つのパスも上記オレンジで表現していますので、参考に頂ければ幸いです。以上です、よい週末をお過ごしください。
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<補足>
フェイルオーバーした仮想WWNは、”ポートリバランス(再調整)”にて、フェイルバックします。
仮想WWNがフェイルオーバーしているよう場合には、次の警告が出ますので、”ポートの再調整”をクリックすれば、ポートのフェイルバックが完了します。
仮想WWNポートが無事戻りました。
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