1ページで読む!2019年 VMware ニュースまとめ

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1ページで読む!2019年 VMware ニュースまとめ

本記事は、vExperts Advent Calendar 2019に参加をしています。今年も残す所後数日となりました。
個人としては、社内での業務範囲の拡充やプライベートでも転居など多くの変化があり、とても忙しい1年でした。が、それと同じくらいVMwareも大きな変化が合った1年だと感じています。

本記事では、2019年にあったVMwareに関するニュースや動きについて個人の考察も含めながら1ページでまとめてみました。

VMworld/vForum関連

やはり”VMware Tanzu”は今年の注目キーワードだったと言えるでしょう。VMwareという社名でありながら仮想マシン以外でワークロードを提供するコンテナへのフォーカスがとても新鮮だったと言えます。後述している買収企業ごとの動向を見ても、VMwareが仮想マシン以外の所でビジネスを伸ばそうとしていることは明らかになってきた1年だと言えます。

VMware Tanzu – VMware

また毎年のことですが、VMworldで発表された内容を、より各国のビジネス事情により最適化して情報を発信しているのがvForumです。

vForum自体も今年はコンテナやセキュリティといった、これまであまりブースやセッションがなかったカテゴリのものが目立つ回になっていたと言えます。ちなみに2018年はVMware Cloud on AWSが発表されたこともあり、ブースはクラウドプロバイダー系のソリューションが多かったです。

vForum 2019 – VMware

企業買収関連

2019年は特にVMwareが多くの企業を買収した年でもあります。VMwareが2019年に買収をした企業は次の通りです。

  • Aetherpal(February 2019)
    • モバイルデバイスの監視、制御、トラブルシュートを遠隔地で行えるようにするソリューション
    • Workspace Oneに対して本機能を統合して、端末の管理の優秀性を向上させることが出来る(既に実装済み)
    • Advanced Remote Management – VMware Docs
  • Bitnami(May 2019)
    • 手軽に必要なアプリケーションをユーザーが任意のインフラストラクチャに展開できるソフトウェアパッケージングソリューション
    • これまでは、仮想マシンを立ててからアプリケーションを展開するという流れだったものが、
      カタログからサービスを選択して、その上でインフラを選択するという逆の流れを作ることができる。
    • VMware Solution Exchange – Bitnami

  • Avi Networks(June 2019)
  • BitFusion(July 2019)
    • AIやML処理のためのGPUやFPGAの仮想化を提供している
    • 将来的にvSphereに本機能を統合するとのアナウンスがある
      vSphere ESXiは、物理CPUやメモリの仮想化によるインフラの集約を実現したが、
      BitFusionのソリューションを併用することで、物理的リソースとしてのGPUやFPGAを仮想マシンごとに必要な量をアサインして、利用率を向上させるという点は近いものだと言える

  • Uhana(July 2019)
    • キャリアネットワークとアプリケーションパフォーマンス品質を向上させるためのディープラーニングエンジン
    • リアルタイムなトラフィックの取得、分析の結果からトラフィックの問題修正や最適化を行う
      特に、テレコムネットワークやエッジ/IoTのような分野にも力を入れているため、これらのネットワークに対しての自動化ソリューションを目指しての買収だと言える
  • Pivotal(August 2019)
    • 開発者向けプラットフォームとサービスを提供
    • 仮想マシン以外に、コンテナもホスト出来るvSphere ESXiに進化することで、インフラ以外に開発者も共通のリソースを利用し、リソースの利用効率の向上やシンプルなインフラストラクチャ管理が実現される
  • Veriflow(August 2019)
    • ネットワークのトラブルシューティングツールの提供
    • 既にvRealize Network Insightとの統合を開始している。ネットワークはサーバーやストレージとは異なり、送信元と先の距離が離れているケースが多いため可視化されたマップによる確認が必要など、ツールを活用したトラブルシュートは今後特別なものから標準的なものになっていくと予想される
  • Carbon Black(October 2019)
    • クラウドネイティブセキュリティプラットフォーム
    • セキュリティの実装方法として、シグネチャ式ではなく予測モデルに基づく同社のソリューションは、不正と判定されるであろう振る舞いについて、早期に対策を取ることが可能である。
      CB社では、グローバル規模で集積した大量のセキュリティ判定に用いるデータがクラウド上に既に取得してあり、エンドユーザーの端末での振る舞いはそれと比較され保護される
    • 将来起こりうる問題に対して、データを用いた予測でセキュリティを実装するが、それを仮想マシンやコンテナ、またこれらがクラウドであれオンプレミスであれ、場所を問わずに提供していくことが狙いとなっている

この情報は、VMware Acquisitions Expand and Enhance Our Product Linesというページ上に掲載が合ったものから、2019年でヒットした列を月順で並べたものです。

https://www.vmware.com/company/acquisitions.html

なお、上記のページ内で確認頂くと、概ね毎年買収を行っていますが2019年が買収数最多です。

関連URL

VMware Tanzu

ヴイエムウェアが狙うネットワークとセキュリティ領域の刷新

ヴイエムウェア、Uhanaを買収へ–AIによるモバイルネットワーク強化に向け

VMWareがCarbon BlackとPivotalを買収

VMware、GPUやFPGAの仮想化機能をvSphereに統合へ、「Bitfusion」買収を発表

なぜCarbon Black買収なのか、セキュリティ市場に本格参入するVMwareの戦略

著者による次の1年で学ぶべきだと考えるテクノロジー

テクニカルインストラクターという役職柄、次の1年で取り残されないために学ぶべきテクノロジーはこれらの製品、技術だと考えています。

  1. VMware NSX-T
  2. Kubernetes
  3. vSphere 7.0

ここまで出てきた関連ニュースを見ても、明らかにコンテナを中心とした機能が今後vSphereを初めとしたコアな製品に追加されることは明らかだと言えます。vSphere/vSAN/NSXが仮想マシンのみならず、コンテナを実行することも想定した作りになるといえるでしょう。

特にVMware NSX-Tについては、以前からコンテナへの対応はしていますし、今後はNSX-TがNSX-Vに変わりネットワークの仮想化のメインストリームを担っていくことは間違いないでしょう。(また公式情報としては出ていませんが、VMware様のセッション等では、NSX-Tを推していくという内容がちらほらでてきています)

Kubernetesについても同様です。これまで仮想マシンの環境のメンテナンスをしてきた管理者の立場として、コンテナについての取り扱いや仕組み、設定や設計など、既存の知識が活かせるところとそうでないところが出てくることは間違いありません。すぐすぐにコンテナを大量展開して仮想マシンとの併用、というフェーズには入らないにしても、この1-2年で基礎スキルを身に着けておくと良いのではないかと考えます。

最後にvSphere 7.0と記載しておりますが、上記で挙げたいくつかの機能は既に次世代のvSphereに標準搭載することが決定、アナウンスされています。コンテナの実行ができてる点、App Defence、ML/AIのための仮想化など、最早vSphere ESXiはハイパーバイザーとしての役割だけではなく、セキュリティ製品であったり、コンテナホストであったりと、非常に広範囲のワークロードをホストする新たなプラットフォームとしての位置づけになりつつあります。

上記も3つ以外で言えば、セキュリティやネットワーク、EUC方面でも学ぶべきスキルは多くあるとは思いますが、現時点では具体的な製品化の情報が出ていないところもあるため、予測が立てやすい部分で上述のように3つを選定して考察をたてました。

学習教材として

(こちらは随時優良コンテンツを見つけ次第追加を行う予定です)

あとがき

しばらくぶりのブログ更新でした。あっという間に2019年も終わりを迎えつつあるなか、毎年感じるのはIT業界の変遷、進歩というのはなかなかにスピードが速いなと驚くばかりです。

私がVMwareに触れたのはvSphere 5.x世代でしたが、まさかこれほどまでの進化を遂げる製品になるとは思っても見ませんでした。このスピード感であれば、来年の今頃にはより驚くべき変化がある可能性もあるだろうと言えますし、IT業界の中で教育サービスを提供するものとしては、より速い業界の変化に対して、わかりやすくポイントを抑えた講義や情報提供を努めていかねば、と感じる次第です。

いつも当ブログをご覧頂いております読者様、この場を借りまして2019年もお世話になりました。
また、vExpert Advent Calendarを毎年管理頂いておりますGo Watanabeさん、そしてvExpertの皆様にも多大な感謝をしつつ、2019年Advent Calendar最終日の記事として締めくくらせて頂きます。2020年も何卒当ブログを宜しくお願い致します。

 

 

 

 

 

 

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