さて今週から、vSphere 6.5 Install, Configure, Manageをはじめました。
今まで6.0の提供だけでしたので、色々と変更点も多く楽しくトレーニング初日を迎えました。
さて、本題です。今回は受講生からの質問ではなく想定問答対策です。
お題:vCenter Serverのバックアップが6.5では、ネイティブな機能で提供されるようになったが、これによって取得されるデータの範囲はどこまでか?
バックアップ、IT管理者の永遠の課題ですね。
特にバックアップアプリケーションはサードパーティーでの販売もあれば、ご本家からのネイティブな機能の提供などもある場合、どれを使えばいいか、など管理者の方の悩みは尽きません。
今回は、トレーニングコースには、”vCenter Server 6.5のネイティブバックアップ機能”の紹介が含まれるため、その性質について紹介をしたいと思います。
まずこの機能はアプライアンス版vCenter Server限定です。
つまり、Windows版のvCenter Serverには無い機能です。
次に、この機能で取得出来るバックアップですが、バックアップ対象は”vCenter Server”と”Platform Service Controller(以降PSC)”です。
vCenter Server 6.0以降は、vCenter Serverのアーキテクチャとして、PSCが登場しました。ライセンスの管理やVMwareディレクトリなどを保存、管理してくれるサービスの集合体です。
これらの2つのデプロイモデルは、2パターンです。
もし、単一のVMに対し2つの機能をデプロイする場合、1回のバックアップでOKです。
もし2つのVMに対しこれらの機能をデプロイする場合、それぞれで1回ずつバックアップを取得する必要があります。
今回紹介するバックアップ機能は、次のURLからアクセスしたページ上で行います。
(赤=単体VMへのデプロイ時のURL、青=別々にデプロイした際のそれぞれのURL)
こちらの画面が、上記URLでアクセスをした際のログイン画面です。
ログイン時には、vCenter Server Appliance及びPSCのローカルユーザー認証情報を入力します。(Administrator@vsphere.localではありません)
ログインを終えると、次のような画面が表示されます。後は赤枠で囲ったバックアップボタンから、バックアップを行います。
この画面はvCenter Server ApplianceもPSCも共通です。どちらにログインをしているかを確認したい場合は、以下の箇所で判別が可能です。
左がvCenter Server Applianceであり、右がPSCであることが確認出来ます。
最後に本バックアップを行う上での考慮事項です。
この点については、最新の情報が欲しいという方は、VMwareよりリリースをされている”vSphere のインストールとセットアップ”という名称のユーザーズガイドを参照ください。
ブログにて内容を纏めても良いのですが、今後の製品アップデートなどで考慮事項が変化する場合、記事が最新でない可能性を回避するためです。
例えば、”vSphere 6.5 Update1″のガイドの場合は、以下のように制限事項が283ページに有ることが分かります。
vSphere 6.5 Update 1 vSphereのインストールとセットアップ PDF版
(リンクが切れておりましたら、お手数ですが検索エンジンにて検索頂けますと幸いです)
バックアップによって保護されるデータは次の通りです。
本手順以外にバックアップ取得が必要なものはあるか?
例えば、vCenter Serverで管理している”分散スイッチ”は、上記バックアップには含まれますが、バックアップ取得後に変更を行った場合は、その変更差分を分散スイッチ側のエクスポート機能で取得をするように、と紹介がなされています。
本手順については、以下のKBを参照ください。
vSphere Web Client を使用した Distributed Switch 構成のエクスポート/インポート/リストア (2096643)
以上のように、本機能はあくまでもvCenter ServerとPSCに対する機能と言えますので、ユーザーの構成や環境によっては、この機能以外での追加バックアップも検討をする必要があります。
最後にこの機能のコンセプトですが、やはりVMwareネイティブという所がポイントです。サードパーティのバックアップアプリケーションなどもありますが、トラブル時に問い合わせ先が増えるのは管理者としては負担が増える一方です。
またサードパーティアプリケーションの場合は、別途ライセンス購買費用などがかかるケースもあります。
コストエフェクティブ、シンプル、このキーワードがぴったりな機能だと言えます。
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