今年も早いもので、あっという間に12月ですね。VMworldがほぼ1ヶ月前と言うのが信じられません。
さて、今回の本題ですが”手軽に構築するvSphereホームラボ環境”についてです。
先日あるお客様先でトレーニングを提供したのですが、vSphereの真価を伝える上でインフラ上必要となるのが”共有ストレージ”でした。
vSphere vMotion, vSphere HAの二大機能はやはりユーザー数も断トツですしこれらの全体には”共有ストレージ”が含まれます。
一方で一般的に”ストレージ”と聞くと”流石に自宅には置けない…と言う人ばかりだと思います。概ねその理由は次の通りです。
- 設置スペースの問題
- 音と熱の問題
- 金銭的コストの問題
家庭持ちであれば、これらの設置について家族に理解いただく必要がありますね。
今回の記事ではそのような問題点に対して、うまく対処する方法を3つ紹介致します。
なお、本記事が想定するホームラボ環境は次の通りです。
<前提条件>
- 既に1台以上のESXiホストを持参している
- 上記環境が1台のみのESXiホストをご持参である場合はネスト環境(ESXi on ESXi)を想定した環境となります。
- 上記環境が2台以上の物理ESXi環境の場合、物理環境にてクラスタ環境を構成可能です。
<ホームラボ環境構築方法>
1. SOHO, Homeユーザー向けNAS製品を利用する方法
メリット 物理ベースの管理が可能、独立したリソース
考慮事項 金銭面及び設置スペース
この場合、最近自宅で導入するNAS製品が流行っていますが、それらをiSCSIやNFSでマウントするといった手法を示します。例えば次のような製品です。
金額としてはエンタープライズレベルのコストはかかりませんし、設置も小さなものを選べば卓上でも設置は出来ます。
今回紹介したQNAPは、私が個人的に持参をしていたNASのベンダーだったのでご紹介しましたが、勿論SynolgyやBuffaloなどのメーカーも同様のHome NASを展開しています。
※本ブログは私が個人的に行っているブログであるため、勿論私が所属する団体も含めての推奨などでは無いことはご理解の上本記事を参照ください。
VMware Compatibility Guide – Storage/SAN Search
自宅でiSCSIを使う日が来るとは…という感じですね。
※iSCSIとは、TCP/IPプロトコルでカプセル化したストレージ通信です。いつも私はトレーニングで”LANケーブルを使ったストレージ通信”とよく伝えることがあります。
(厳密に言えば、勿論それ以外のメディアも使われますがシンプルに伝えるためにこのように伝えています)
2. ストレージベンダー提供の仮想ストレージアプライアンスを利用する方法
メリット 無償でストレージが使える、ストレージ自体の勉強にもなる
考慮事項 パフォーマンス実環境と比べると低い、全てのストレージベンダーが同じようなアプライアンスを提供しているわけではない
こちらの方法は具体的な例を挙げますと、Dell EMC Unity VSAがあります。
これは非本番環境であればライセンス無しで利用することが可能です。
VMware互換性ガイドにもしっかりと記述があります。
VMware Compatibility Guide – Storage/SAN Search
例えばネスト環境を構築したとして、ネストESXiを2台用意し、本ストレージをiSCSIベースで接続をすれば手軽に2ノードvSphere HAクラスターが構成出来ると言えます。
3. ネスト環境で構成するvSAN
メリット 全ての手法の中で最もシンプルな構成になる
考慮事項 vSANがメインとなるので、一般的なSANストレージの知識は身に付かない
言わずと知れたvSANです。SANストレージに拘らなければvSANを使えば手軽にクラスタリングが組めます。通信方式はiSCSIなどの形式を取らないのでストレージアダプター設定も要らないので楽チンです。一方でiSCSIストレージなどの場合はiSCSIターゲットマウントやLUNマスキングなどの設定を行いますので、体系的なストレージ学習には向きません。
なんでも良いのでvSphereクラスターを組みたい、と言う方に向いている手法です。
是非ご自身の目的に合ったストレージのタイプを見つけて頂ければ幸いです😊
最後にですがそもそもNested環境についてまとめられた記事をご紹介致します。
VMwareのソリューション アーキテクトであるWilliam Lam氏がNested環境の構築についてのまとめを掲載されています。英語の記事ではありますが、これ以上にないくらいよくまとまった記事になっていますので是非ご一読されることをおすすめ致します。
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