ご自宅仮想化ラボはじめました。【Part04. NIC増設編】

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ご自宅仮想化ラボはじめました。【Part04. NIC増設編】

本シリーズも開始をしたのが昨年の10月でしたが、非常に緩やかに進めています。
これまで本ラボの紹介は全3回とそこまで多くはないのですが、ブログ内でご紹介をしておりますいくつかの仮想アプライアンスの紹介で結構活躍しています。(Dell EMC PowerProtect DDであったり、Avamarであったり)

そして時事ネタではありますが、出ましたね、VMware NSX-T 3.2!

以前からVMware NSX-Tの宅内導入は予定していたものの、NICポートが1つしかないESXiホストだったこともあり、同ソフトウェアを使用するための仮想スイッチへの移行が出来ませんでした。基本的に低価格で持てるラボ環境という路線は維持しつつやってきたのですが、ここ来てネットワークポート数がボトルネックになるとは、という事で今回いよいよ物理NICポートの増設に踏み切りました。

今回は、デスクトップ型ESXiホストに対して、適切なNICを選択するための方法をご紹介します。

今回前提としている環境

現在使用しているESXiホストの構成は次の通りです。

  • VMware vSphere 7.0以降のホスト
  • Dell OptiPlex 7050 スモールフォームファクタ

この構成は私が宅内で使用している環境です。勿論ですがホスト自体は非サポート構成です。
構成の詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

lab8010.com

今回使用しているデスクトップ筐体は拡張カード搭載用スロットを2つ持っています。
筐体の性質上、搭載可能な増設カードの幅はハーフハイトです。また、LAGやチーミングなどの検証もおいおい行いたいことも考えて、今回はデュアルポートのNICを選択します。最後にリンク速度ですが、正直言えば10GbpsのSFP+構成が理想ですが、個人のお財布事情もそうなのですが、読者の方にとっても”真似しやすい低価格及び汎用路線”は外せないので今回は1Gbpsとします。10Gbpsにする時点で価格が異常に跳ね上がってしまいますので、このあたりはつよつよ自宅ラック勢の方たちにお任せしようと思います。

という事で今回のNICの要件は次の通りです。

  • リンク速度は1Gbps
  • ポート数は2ポート以上
  • サイズはハーフハイト対応
  • vSphere 7以降で使用可能

今回選定をしたNIC:10Gtek製 I350-T2(RJ45 x2)

今回は、10Gtek社提供の1GbpsのデュアルポートNICを選択しました。
1.25G NICs Manufacturer – 10Gtek

ark.intel.com

ここで、I350をキーワードとして、VMware Compatibility Guide上での互換性情報を検索してみます。

今回は、キーワード検索で”I350″とだけ入力をして検索をしています。検索結果としては、同ネットワークコントローラーを搭載したIntel及びOEMとして同コントローラーを搭載したNICが多数検索結果として表れています。残念ながら10Gtek社の名前自体は、本検索ページの”ブランド名”の箇所にはありませんので、元々互換性ガイド上では正式に使用可能かどうかを判定は出来ません。

しかしながら、当該ネットワークコントローラーを搭載した多数のNICが使用可能であることをここで確認が出来ました。少し雑な確認にはなってしまいますが、恐らく行けるだろう、とここで判断しました。

勿論なのですが、あくまでも自宅ラボ環境としての判断ですので、商用環境での利用の際には必ず本互換性ガイドに掲載のある製品をご使用ください。

NIC到着、増設、認識確認

という事で、早速Amazonで注文をすること1日、無事NICが到着しました。包装、しっかりしてますね。

2枚買ったので並べてみる。(特に意味はない)

ドライバメディアとハーフハイト用のブラケットも付いています。これが無いと使えないので助かります。

無事にブラケット交換完了

そしてNIC増設完了(Dell OptiPlexの場合、ドライバ無しでシャーシを開けてカード増設までが出来ます。)

そして、ESXiホストを起動させてVMware Host Client上での認識を確認

元々事前に調べた情報からも、ESXiホストが持っているネイティブドライバでI350系NICが動作する情報は得ていたので想定通りの結果と言えます。これで物理ポートが3つになりましたので、構成のバリエーションが出ました。今後はまず分散スイッチを構成して、その後VMware NSX-Tの展開でも使用かと思います。

vSphere 7.x環境では、増設カード選定のハードルが上がっている

vSphere 7が登場してから、既に多くの時間が経過をしていますのでこの情報については多くの方に知れ渡っているとは思いますが、vSphere 7からはESXiに内包されるドライバのうち、VMKlinuxと呼ばれるタイプのドライバが完全に削除されています。このためvSphere7以前の6.x系までは使用可能なハードウェアが多くあり、特に低価格で入手できるハードウェアをVMKlinuxドライバで動作させることが出来ました。

例えばですが、以下のNICはvSphere 6.7まで使用が出来たNICです。物理的に見てみれば、今回採用したNICと同じ条件でほぼ半額です。

gigazine.net

増設カード検索の際に役立つリンク集

KB名およびリンク コメント
I/O デバイスでサポートされているドライバのファームウェアのバージョン (2030818) vSphere環境に認定されているハードウェア検索時に使用するVMware Compatibility Guideの紹介
ESXi 7.0 で廃止およびサポート対象外になったデバイス (77304) ESXi 7.0から使用不能になったデバイスに関する情報と影響がまとめられています。
ESXi 7.0 のインストールまたはアップグレード中に vmkapi 依存関係エラーが発生する (78389) 上記と近いですが、vSphere 6.x系から7.0にアップグレードする際に、一部のハードウェアが使用出来なくなる可能性について示唆されています。
What is the Impact of the VMKlinux Driver Stack Deprecation? – VMware vSphere Blog VMware社の公式ブログ内にて、VMKlinuxドライバ提供廃止に伴う影響がまとめられています。

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