【2020/05】ITエンジニアにお勧めのスキルアップ書籍紹介 – 絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク

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【2020/05】ITエンジニアにお勧めのスキルアップ書籍紹介 – 絵で見てわかるOS/ストレージ/ネットワーク

はじめに

この書籍紹介シリーズの目的は、ブログ運営者である私自身が自らのスキルアップのために入手した書籍を読んで、その書籍がIT業界で就労するほかのエンジニアの方に対してどのように役立つかを紹介する記事です。

実際にこの記事を始めようと思ったきっかけは、実は”自分自身が書籍を入手して以降、読み終えずに放置しないように”という目的も含まれています。

書籍情報

www.shoeisha.co.jp

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この本を選んだきっかけ

元々IT業界へは新卒で入社し、初めての職務がテクニカルサポートという業種だった私は、ITの知識が決して豊富でない状態でトラブルシューティングを主とする業務に就きました。

社内でトレーニングは充実していたものの、業務のメインはデスクトップやノートパソコンのハードウェア障害に対する保守対応から始め、キャリアアップ後はタワー、ラック、ブレードサーバの保守対応とハードウェアの障害有無判定がメインでした。

それ以降キャリアアップをした私は、Windows Server 2003-2008R2当たりのOEMサポート部隊でOSサポートをしていましたが、社内キャリア転向で僅か18か月でOSサポート部隊から管理職へ。

これ以降は4年ほどサポート部門の管理職を担当しましたが、これまで身に着けた知識はトラブル発生時の対応やビジネスインパクト判定などがメインであり、OSやソフトウェアがそもそもどのようにハードウェア上で振る舞うのかを体系的に学んできませんでした。

エンジニア経験が約4年ほどあった私は、自分で調査をするスキルや技術的な文書を読む習慣がありましたので、案件単位で上述しているようなOSやソフトウェアに関する知識は不定期に学んできました。
技術インストラクターという職務を行っている現在では、よりアーキテクチャ寄りの内容を体系的に身に着けたうえで技術講義を行う方が自身にとっても受講者にとってもよいだろうと考え、この本を手にしました。

他にも似たような書籍が世の中にはありますが、現在私が勤める会社にいる業界の先輩からこの書籍を勧められたことも理由の1つに含まれます。(先輩の知り合いがこの書籍の著者であるとのことで、彼が以前就労していた企業で同僚だったとのこと)

この書籍のおすすめポイント

例えば、”OS上で動作するソフトウェアがなぜ遅くなるのか?”、”システムのパフォーマンスを向上させるためにはどのような設定を考慮する必要があるのか?”を、マルチなレイヤーで読めたことはとてもよかったです。

パフォーマンス系の話というのは、基本的にサポートエンジニアはあまり得意ではないです。勿論それが得意なエンジニアが世の中にいることは私もよく知っています。
ただしサポートエンジニアの職務の基本は障害対応であり、パフォーマンスチューニングは通常サポートに含まれていませんし、応答性の速い、遅いなどの調整はサポートというよりはコンサルティング的な職務に近いです。

この書籍では、ITインフラにおけるソフトウェア、OS、サーバ、ストレージ、ネットワークの多階層で構成されたシステムを俯瞰的に見て、ケーススタディ的に”この場合はここが問題です”というように具体例を通じてパフォーマンスに対する考察を得られます。何より著者が業界でのベテランであり、書籍を通じて著者のインフラで出会った体験に触れられることは、大変貴重だと言えます。

どのような読者に向いている?

  • システムのパフォーマンスチューニングのスキルを身につけたい人
  • パフォーマンス監視ツールで出力された値から考察を立てる力をつけたい人
  • サーバをメインにやってきたが、他のレイヤーについてはあまり知らない人で、他の階層の知識も強化したい人
  • アプリケーション、OS、サーバ、ネットワーク、ストレージの一貫した基本知識を持っている人
    • 例えば、RAIDレベルの違いによるWriteとRead性能の違い
    • チーミングやマルチパス構成におけるパス選定ポリシーの違いを知っている人
    • ランダムアクセスとシーケンシャルアクセスの違いを知っている人
    • TCP/IPの基礎やCCNA相当の知識を持っている人

こうして記述をした内容からも、”初めてIT業界に入って0スタート”という人にはお勧めできません。
実は今回この書籍を手にする以前に、約10年ほど前に新入社員としてIT業界に入社後、この書籍の初版を立ち読みで見たことがあるのですが、正直内容が難しすぎてついていけませんでした。

ある意味今回改めてこの書籍を手にしたのは、その当時と比べて自分自身が内容を理解できるに至ったかを再確認するためだったとも言えます。

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