【2020/06】ITエンジニアにお勧めのスキルアップ書籍紹介 – ドラゴンクエストXを支える技術: 大規模オンラインRPGの舞台裏
はじめに
この書籍紹介シリーズの目的は、ブログ運営者である私自身が自らのスキルアップのために入手した書籍を読んで、その書籍がIT業界で就労するほかのエンジニアの方に対してどのように役立つかを紹介する記事です。
実際にこの記事を始めようと思ったきっかけは、実は”自分自身が書籍を入手して以降、読み終えずに放置しないように”という目的も含まれています。
書籍情報
この本を選んだきっかけ
私は自分の人生経験の中で、”ドラクエ”と”オンラインゲーム”というのは、個人的には深い関わりがある要素になっています。
私とドラクエ
ドラクエ1が世の中に出た年、私も世の中に誕生しました。
それだけでなく、私の実母が当時存在したファミリーコンピューターを始め、あらゆるゲームを購入しては遊ぶ、所謂”オタク”だったため、私も幼稚園生時代にドラクエ2やそれに続くドラゴンクエストをよくやらされていました。
子供ながら、自分の親がビデオカメラか何かで都度テレビを撮影しているなぁ、と思っていたのを薄っすら覚えているのですが、後で聞くと”ふっかつのじゅもん”だったようです。
最近の若い方はドラゴンクエスト伝統の”ふっかつのじゅもん”が何かご存じないかもしれないので、簡単に説明をすると、当時のドラクエはゲームの進行データをストレージ内に保持する仕組みがなかったので、進行データをバイナリ(0と1の数字で取り扱う二進数)でメモリ上で管理しているものを、日本人になじみがあるひらがな、濁音文字、半濁音に変換したものです。
ゲームを終了する時点で、必ず現在の進行時点の”ふっかつのじゅもん”が生成され画面に表示されますので、
通常はこれを紙にメモするなどして、覚えておくわけですが、まぁメモを間違えたりすると、悲惨な目に合うわけですね。
今みたいに”写真を取ればいい”と思ってもスマホはおろか、カメラはフィルムの現像式ですので、ビデオカメラというのは理にかなったんでしょうね。
長々書きましたが、私の親がゲーマーだったこともあり、社会人になるまでドラクエを始め、基本的に一般家庭ゲーム機には困らない家庭でした。ドラクエは1/2/3/4/5/6/7、そして11はやりましたね。
本当は間の抜けた8, 9、そして今回取り扱うXについても時間を忘れて没頭したいのですが、
現在は私自身が家庭を持ち、土日などもスキルアップのための読書や、子供が好きなゲームを一緒にプレイするなど、なかなか時間が取れない状態です。
私とオンラインゲーム
時をさかのぼる事、中学1年生頃。当時仲良くしていた同級生から”面白いゲームがある”と紹介されて始めたのが”ラグナロクオンライン”というゲームでした。
Gungho社が現在も提供しているMMORPG界のビッグタイトルですね。
私が中高生の頃は、インターネットを介したチャットウェブページなどがまだ流行りたてだった気がしますが、顔も名前も知らない人とコンピュータを通じてコミュニケーションを取れるという事が信じられませんでした。
MMORPGは、文字だけという簡素なインターフェースではなくて、自分自身のアバターを設定して、装備品を使ってみた目をカスタマイズすることが出来てとても楽しかった記憶があります。
ちなみに私が当時プレイしていたキャラクターは”ウィザード”という魔法使い系であり、遠距離から高火力で敵を倒すようなスタイルでした。ウィザードをやっていますと派手な魔法を使う必要があるのですが、そうすると持っているパソコンの画像処理スペックが追い付かず、ビデオカードを足せばいいなど、MMORPGのおかげで少しずつパソコンの知識を得るに至りました。
あと、現在でも役に立っているのは、キーボードとマウスの操作スキルです。
当時ほどではありませんが、MMORPGでは強いモンスターと戦いながら、仲間との連携、的確な攻撃を適切なタイミングで放つ必要があります。
チャットで仲間と会話をしながらマウスで正しく敵をクリックし、魔法を打つコマンド操作をするというアクティビティのおかげで、ブラインドタッチは勿論、パソコンの操作スキルが身に就きました。
この書籍のおすすめポイント
1つのビッグタイトルのオンラインゲームを、何事もなく運営するためにどのような職種、ロールがあるかや技術的に詳細な点まで深堀して知ることが出来ます。
例えば普段インフラやOSなどのレイヤーを担当している方の目線では、ゲームのプロセスがどのように細分化されているかや、ゲームプログラムの実装方法についてはメンテナンス面を考慮した作りになっているなどです。
具体的な例は次のようなものです。
- ゲーム開発方式やプロセスの構成、リソースの最適化
- グラフィックス処理部隊の話
- データベースの選定、構成
- メインゲームリリース後の運用
- バックアップとリストアの方式
- 発生したトラブルの事例や対処ケースの紹介
- バグ改修
- 不正ゲームプレイヤーとの闘い
また、非常に感動的なのは、あらゆる方面において技術や運用が”ドラゴンクエスト”という歴史的超大作のブランドをいかに守るかと、”冒険者”つまりお客様を大事にするために惜しみなくこだわりぬかれているという点を知れるということです。
これまで私はインフラストラクチャをサポート、教える立場としてIT業界に携わってきましたが、技術はパフォーマンスを高めたり、冗長性を維持するなど直接的な特性理解に重きを置いていましたが、本書内ではそれぞれのテクノロジーが、如何にドラゴンクエストの世界観を表現するために適材適所で採用するかの苦労や考え方が学べます。
著者である青山氏も記載されていましたが”技術的にすごいと感じさせない自然さが最高の技術力”と書いていますが、その通りだと思います。
海外に出張すると、日本には多くの漫画やゲームなどの素晴らしいカルチャーがあってうらやましいという声を同僚から頂きます。まさにこの書籍では、日本が誇る伝統的なRPGと、最新鋭の技術テクノロジーの融合を感じることが出来るそんな一冊です。
どのような読者に向いている?
- ドラゴンクエストが好きなIT技術者
- MMORPGのプレイ経験があり、ゲームの仕組みに興味がある人
- 自らが、インフラエンジニア、プログラマー、運用者、サポートなど、IT基盤に何らかの形で携わったことがあり、他の職種の人がどのように働いており、どのような苦労があるかを知りたい人
- インフラサイドの方は、OS上でのプロセスやスレッドの関係性など、一定の知識をお持ちの方
- サーバー、ストレージ、ネットワーク、データベースに関連する一般用語を知っている人
先月以下の書籍を紹介しましたが、こちらでは上記に挙げるインフラにおける各レイヤーの用語や相互関係が学べます。
本書もそうですが、”IT業界1年生”の方が読むのもよいと思いますが、ハードルは高めです。
正直な所、全ての項目を技術的に理解することは難しいと思います。
私も自分の専門箇所以外は”こんなところがあるんだ”と思うことが多かったです。そういう意味では、日常の業務では出会うことがない領域について学べるので、そういう気持ちで読まれるのがいいでしょう。
関連Webリンク
AWS 導入事例:株式会社スクウェア・エニックス | AWS
あとがき
ドラクエX、本当はやりたいです。以前はゲームを時間を忘れてやっていたし、今もたまにやります。
しかし最近はゲームをやると”累積されたプレイ時間”が増えるたびに”あぁ、この時間スキルアップに使えばよかったな”と思ってしまい、スキルアップ時間やブログ執筆に行動を変えてしまう次第です。
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