【VMware認定資格】 VCAPへの道【Design科目用語編】

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【VMware認定資格】 VCAPへの道【Design科目対策編】

この投稿は、vExpert Advent Calendar 2020に参加しています。

もう2020年も残り1ヶ月ですか。気がつけば12月で、今年はCOVID-19の影響もあり働き方や市場のニーズも変化してきて、なかなか思うようにブログがかけておりませんでした(反省)

さて、今回は間もなくクリアしたい”VCAP-NV Design”の対策のために、Design科目で問われる事項についてまとめたいと思います。

前置き VCAP Designとは

VMware Learningが提供するレベル3科目です。(VCPはレベル2として有名です)

特にこのレベル3科目は、”Design試験”と”Deploy試験”の2つがあり、今回注目するDesignではVMwareが提供するベストプラクティスに基づいて、適切なソリューションを選定、構成出来るかというスキルを見る試験です。

デザインを考える際に、要件、制限など、様々な様子を予め把握をしておく必要があります。
この試験では、いくつかの専門用語でこれらが紹介されますので、試験対策のためにそれぞれの用語の意味合いをまとめて見ました。

Conceptual Design

”概念のデザイン”と直訳出来ますが、これは組織が目指すビジネス上のゴールが何であるか、今の構成と比べて何が足りないか?を明らかにするものです。このデザインには、物理及び論理的な構成は含みませんので、主役はビジネスです。

このデザインを決定するためには、次のような情報をお客様やインフラを管理する中心的な担当者から聞き出す必要があります。

  • ビジネス上の要件
  • アプリケーションの要件
  • 現在の状態

上記で上げている要件には、可用性、拡張性、パフォーマンス、セキュリティ、管理性などが入ります。
これらの情報があることで、VMwareのどの製品の、どの機能を使おうか、物理的になどのような構成が望ましいかの検討が始まるとも言えますので、このデザインは最も最初にくるフェーズだとも言えます。

ここで集められた情報は、次に4つの分類に分けることが出来ます。

Risk – リスク

リスクとは、正しくプロジェクトやデザインを完成させるために邪魔なものであり、ネガティブなものです。

例えば、次のようなものが該当するでしょう。

  • ネットワークの環境において、単一障害点が存在する
  • データストアには、既に80%程度の使用率でデータが保存されており、拡張の予定がなかった

Constrains – 制約

制約とは、デザインに対して与えられる制限だと言えるでしょう。守らなくては行けないものという意味では、要件に近くもありますが、どちらかというと制限事項という側面が強いです。

例えば、”導入におけるタイムライン(○月までに導入を終える必要がある)”や、”Dell Technologiesのサーバを使う必要がある”などが制約だと言えます。

Assumptions – 前提条件

前提条件とは、”こうなっているはずだ”という”未確認ではあるが、こうなるべきであるもの”を示します。

例えば、次のようなものが該当するでしょう。

  • サイト間の接続には十分な帯域幅が確保されている
  • サイトのNorth-South通信に対しては、Edgeファイアウォールにより悪意のある通信からの保護が提供されています
  • データセンターでは、本番用のネットワークと開発環境のネットワークは共通のコアルーターを使用しているが、異なるIPサブネットを使用し分離されている

Requirement – 要件

要件とは、到達するべきもの、すなわちプロジェクトの必達目標です。具体的には、ビジネス上の必達目標や、必ず使う機能などが定義されます。

例えば、次のようなものが該当するでしょう。

  • 仮想マシンを他のホストに移行する際は、オンラインマイグレーションを使用する必要があります。
  • 新しいインフラストラクチャーでは、仮想マシンの展開の際に、テンプレートを使用する必要があり、テンプレートは複数のサイト間で同期される必要があります。
  • 新しく導入するストレージでは、VAAIを使用した一部の処理のオフロードを行う必要があります。
  • ホストで障害が起きた場合でも、特定のビジネスクリティカルなワークロードは停止しることは許容されません。

なお、要件はFunctionalとNon-Functionalの2つに分類されます。

Functional – 機能要件

機能要件は、”何を実現するか(あるいは実現してはいけないか)”を示します。

上記の例を1つ挙げるとすれば、”仮想マシンを他のホストに移行する際は、オンラインマイグレーションを使用する必要があります。”では、”vSphere vMotion”を使用することは明らかです。

Non-Functional – 非機能要件

非機能要件は”どのように実現するか”を示します。

上記の例の続きとして、”仮想マシンを他のホストに移行する際は、ユーザーが仮想マシンの移行先を選択出来る必要があります”というのは一つの例です。

シナリオ例

ある組織では、ビジネスクリティカルなアプリケーションを実行するために、ファイバーチャネルベースの共有ストレージを使用したvSphere HA環境を管理しています。現在の環境は、レガシーな製品を使用しており、保守の延長が今後購入できません。
この組織では、既存のvSphere環境への管理知識を有している管理者のスキルをそのまま使用可能な、ハイパーコンバージドインフラを今後採用して、スケールアウト式にインフラストラクチャを拡張したいと考えています。また、本インフラストラクチャ上では、2台のホスト障害が起きた場合でも、本番環境に影響が出ないようにしなければなりません。この際、Dell EMC VxRailを使用することは決まっています。

解説

  • 既存環境の保守延長が出来ない事はリスクである
  • ハイパーコンバージドインフラの採用は、要件である
  • 2ホスト障害への体制をつける事は、要件である
  • Dell EMC VxRailを選択することは、制約である
  • 既存の管理者はvSphereの管理運用の経験をもっていることは、前提条件である

あとがき

気が向けばもう少し情報を足そうかなと思います。

今年は、VMware製品の著しい更新と、急遽Red Hat系のインストラクター職務の準備、Work From Homeへの適用など公私ともに色々と忙しい年でした。製品の成長のおかげで毎年エキサイティングな年と成長を楽しめています。ブログの更新が少々落ちてはいますが、いくつかの試験を終えたらまた頻度を上げていきたいと思っておりますので、引き続き読者の皆様、何卒よろしくお願い致します。

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