【VMware認定資格】VCP-NV / VCAP-NV受験レポート(NSX-T編)
皆様、2020年もよろしくお願い致します。
さて新年一発目の記事は今話題のVMware NSX-TのVCP受験レポートからスタートです。
なぜNSX-Tを学ぶのか?
一言で言えば、仮想マシンやオンプレミスに留まらず、多種多彩なインフラストラクチャにネットワークサービスを提供できる製品だからです。
最近のエンタープライズインフラ事情としましては、次のようなキーワードが流行です。
- HCI(ハイパーコンバージドインフラストラクチャ)
- コンテナ
- マルチクラウド
所謂、ITインフラストラクチャの変革が新たに起こっています。
直近では物理サーバーから仮想化、オンプレミスとクラウドの活用、古くはメインフレームからx86サーバーのような変革がありました。
これらの変革の際にもITを取り巻く現場では管理手法を始めとした変化があったように、
直近で新たに登場したテクノロジーのための拡張性と接続性にはNSX-Tはもってこいの製品だと言えます。
下図はVMware Hands on LABの教科書ガイドからのNSX-Tで登場するコンポーネントに関する抜粋ですが、Data Plane内をご覧いただくと、本製品が上記で挙げたような多種多彩な環境を図内に含んでいる事から、幅広い製品への対応をしていることが再認識出来ます。
上図の通りではありますが、NSX-T Data CenterはvSphere/Linux KVM/ベアメタルサーバー/コンテナ/パブリッククラウドを管理対象とします。将来のインフラストラクチャの拡張性と柔軟性を維持するという意味では、非常に注目されており、VMwareの視点でも”VMware Cloud Foundation(VCF)”や”VMware Cloud on AWS”でもNSX-Tが採用されている点からも、今後のネットワーク仮想化の中心的なプロダクトになっていく事が予想されます。
受験時の筆者のスキル、準備期間など
受験者のスキルセットは次の通りです。
- VMware認定講師歴4年目
- vSphere/vSAN/NSX-Vを主に講義担当
- VMware NSX-T Install, Configure, Manageコースは2019年12月に受講
- IT講師経験以外はサーバーとストレージのサポートエンジニア
自分で言うのも何ですが、VMware関連の製品については一定の経験値はある方です。
直近のインフラ環境の変化について行くため、NSX-Tのトレーニングを受講し、自分自身がコース提供を出来るようになるために今回はVCP-NVを取得することにしました。
準備期間はトレーニング受講から数えて1ヶ月でした。
とあるプログラムにてVCP用のバウチャーコードを1つ、VCAP用のバウチャーコードを1つ受領しており、VCAP側のバウチャーコードの期限が1月30日を以て終了となっていました。VCP自体は3月末だったのですが、先にVCAPを受けるわけにも行かないため、VCPとVCAPを同日に受験するに至りました。
ということで、本人的には準備不足のままの受験となりました。
学習教材
- VMware Docs – VMware NSX-T Data Center
- トレーニングで提供される電子書籍
- VMware ハンズオンラボ
VMware NSXについて言えば、NSX for vSphereもNSX-T Data Centerも書籍がありません。従って、公式の資料しかないのですが、これらで十分でした。
学習のポイント – VCP-NV
感想
普段はもう少し綿密に用意をするのですが、今回は準備不足でした。で、あるにも関わらず今回は370/500ということで、決して特別に高いわけではありませんでしたが、ギリギリというわけでもありませんでした。
実際の所、VMware NSX-T[2.4] Install, Configure, Manageの5日間コース内で、アーキテクチャ、用語、その意味合いについて理解をしていたので、それで概ね十分だったなと思います。
対策/ポイント
受験に備えるポイントを箇条書きでご紹介します。
- NSX-Tで登場する用語名、その意味合いを説明出来るようにする
- NSX-Tで登場するコンポーネントの展開方法や各種機能について説明出来るようにする
- サポートするプラットフォームがvSphere、Linux KVM、Linux ベアメタルが存在するため、各プラットフォームでの基本的な操作についてはVMware HOLで動作確認をしておく
具体的にですが、例えば次のようなことはあらかじめ出来るようにしておくと良いでしょう。
- NSX-T 2.4からのNSX ManagerとNSX Controller Clusterノードについてアーキテクチャを説明出来る
NSX-T 2.4以降から、管理プレーンと制御プレーンの在り方が大きく変わりました。 - NSX-Tで利用されるL2延伸プロトコルに関する基礎知識について説明ができる(VXLANでは無くGENEVEが使われますね)
- NSX-Tで利用されるL2延伸機能を利用する際の各ホストの設定などを確認できるようにする
- Tier-0、Tier-1ゲートウェイについて説明が出来る
また、展開方式として”Tier-0だけで運用する単一階層式”と”Tier-0とTier-1の多階層式”があるのでそれらの特徴も説明が出来ると尚良い - DR、SRについて説明が出来る
それぞれのルーターの実体がどこで稼働をするのか、またそれらがインフラ上に構成される条件や相互接続の条件などについてまとめておきましょう
学習のポイント – VCAP-NV Design
感想
VCPとは違い、基本的な機能に対する知識確認などではなく、ストーリーが与えられてどんな機能がフィットするか、というようなイメージです。これについてはVCAP-DCVと同じだなと言えます。
各機能が、どんなケースでは有効か、ということを理解できていればクリアできると思います。
試験そのものは、残念ながらあと10点でしたが、ポジティブに見ればVCP-NVの学習だけでここまで行けたので、対策をすれば合格はいけるなと思います。落ちたので偉そうなことは言えませんが(笑)
対策/ポイント
次回受験する際には次の点をまとめようと思います。
- NSX Managerのクラスタリングについて(VIP及びロードバランサ環境)
- サイト間接続のデザイン
- Edgeの冗長化手法についてまとめる
- ハードウェアオフローディング機能の使い分け
- N-VDSのデザイン(ネーミング、vmkernel アダプタのアサイン、VSS/VDSとの共存)
- NSX-T環境でのIP v6について
あとがき
2020年になりまして、5G、SD-WAN、Edge、IoT、セキュリティなど、ネットワークに纏わる用語、トピックが増えてきました。いずれも、接続をするワークロードがあってのことですが、それが仮想マシン以外のものとして、コンテナが出てきたわけです。
恐らく今年の私自身は、NSX-Tを終えたあとはコンテナ系と、それを支えるクラウド系のスキルを身につけることになるのだろうと思っています。あとオートメーション系の展開ソリューション(VMware Cloud Foundationあたり。Ansibleも気になるのですが)
そして、2020年または2021年にはVCDX-DCVを取りたいなぁ~。引き続き当方のブログでは様々なスキルアップチャレンジについてご紹介してまいりますので、皆様の参考になれば幸いです。