Dell EMC Avamar VEのインストール方法、初期設定

VMware

Dell EMC Avamar VEのインストール方法、初期設定

はじめに

皆様は、vSphere Data Protection(以下VDP)というソフトウェアをご存知でしょうか。
このソフトウェアは、vSphereのバックアップソフトウェアとして提供されていたもので、2020年3月でGeneral Support終了を迎える製品です。

vSphere Essentials Plustという比較的エントリーレベルなライセンスを持ちさえすれば利用が出来るバックアップソフトウェアでしたが、2017年にブログ記事を通じて製品の提供を将来的に停止することが宣言されています。

vSphere Data Protection End of Availability

同様の内容については当方のブログ記事でも次のように取り上げております。ご興味が御座いましたらご覧ください

lab8010.com

この宣言を受けて、VDPの移行先として、”Dell EMC Avamar”が移行先として紹介されています。これは元々、VDPというソフトウェアはAvamarがベースだからです。

というのは、VMwareはその昔旧EMC社の参加だった時代があり、その名残でVDPはAvamarのバックアップ機能をそのまま搭載していたという事が最大の理由です。

私自身は旧EMC社のバックアップ製品の利用経験はありませんが、VDPのリタイア宣言後からバックアップの相談を受けるため、自ら学習をしてみようと決めて導入をしてみました。今回はその導入と初期設定までを紹介します。

Dell EMC Avamarとは?

Dell EMCが提供するバックアップソフトウェアであり、特に可変長ブロック分割方式を採用していることで容量効率が大変良いことでよく知られています。取得するデータが少ないということは、ディスクに転送するデータも少ないという事でジョブも迅速であることも知られています。

製品の詳細についてはカタログをご覧ください。(カタログリンク)

本製品はハードウェアアプライアンスと仮想マシンアプライアンス(Avamar Virtual Edition、略称Avamar VEまたはAVE)の2種類が提供されています。
今回私の場合はUIの確認や基本操作の学習を目的としていたので、仮想マシンアプライアンスを選択しました。

注意事項

私の場合はノートパソコン上のVMware Workstation環境にこれを展開します。通常Avamar VEはVMware製品ではvSphereのみをサポートしており、VMware Workstation上では起動をしようとしてもエラーが発生します。今回はそれをどうやって回避するかも含めてご紹介します。なお、上記のようなカスタマイズは非サポートであるため、本番環境などでは利用されないようご理解ください。

vSphere上でAVEを動作する場合は正式サポート環境となりますので、この点も抑えておきましょう。

AVE 初期設定/インストール手順

  1. AVEのソースファイルのダウンロードします。
    現在はDell EMCのサポートサイトからダウンロードが可能です。
    この中で、一番下のVMware ESXi and vSphereのものをダウンロードします。

    なお、サイト内で同製品を検索する際は、”Data Protection -> Data Backup & Protection Software -> Avamar”の順で検索を頂くと以下のようなページが出てきます。今回はこちらの中で”Avamar Virtual Edition”を選択しました。


  2. ダウンロードしたファイルを、VMware Workstationで開きます。(ご使用の端末で事前にVMware Workstationをインストールされていない方は、本作業前にインストールをご実施ください。)

    仮想マシンのインポートメニューが起動しますので、ウィザードに基づいて入力を行います。
    本来はvSphere上でインポートをする仮想マシンのためか、VMware Workstation上ではEULAの表示がありません。このまま次へ進みます。


    仮想マシン表示名と仮想マシンのデータの保存パスを指定します。(サンプルとしてデフォルトのものを表示させています)

    ネットワーク設定の入力のプロパティ画面が表示されます。こちらで入力を行いましたが、これも結果としては仮想マシンに反映がありませんでした。(やはりVMware Workstation上での動作は非サポートであるためか)空欄のままインポートをしてみます。

    インポートが進行します、このまま完了まで待ちます。

    インポートが完了したので、仮想マシンを起動しようとすると次のエラーが発生をします。このままではAvamar VEは起動出来ません。


    そこで、一旦仮想マシンは上記の指示に基づき削除をし、次に新たな仮想マシンを作成し、その際にCPUとメモリの設定はこのAVEと同じ設定とします。
    更にその仮想マシンに、本インポート時に作成された仮想ハードディスクを接続する事でAVEの起動に成功しました。メモリサイズを6GB、プロセッサ数は2つしています。

    起動後は以下のような形でログイン画面が表示されました。
    デフォルトの管理ユーザーとしてroot、パスワードはchangemeです。

    ログイン後、CLIからAVEに対してのネットワーク設定が出来ます。恐らく前述のGUIでのネットワーク設定の内容と同じ項目でしょう。

    IPv4の設定の様子です、IPアドレスとネットマスク、デフォルトゲートウェイなどを指定しています。
    一通り入力を終えましたら、キーストロークで”4. Go back to main menu”にてメニューに戻ります。

    今度はDNSやFQDN系の情報を入力しています。

    今回はIPv4、ネットマスク、ゲートウェイ、DNS、FQDNの情報を入力後、設定を保存しました。
    設定保存を実行すると、以下のように設定がコミットされる様子がコンソールを流れます。

    CLIからはネットワーク系の設定だったのに対し、GUIからは初期設定の終わりとしてパスワードの変更とタイムゾーンの設定があります。ここからは設定をしたFQDNまたはIPアドレスにてブラウザからGUI接続が可能となります。

    下図ではパスワードを1つだけ設定していますが、図内のチェックボックスを解除すると、Avamarが内的に利用する複数のユーザー毎に個別のパスワードが設定出来るように項目が増えます。

    タイムゾーンを指定します。これで初期設定は完了です。タイムゾーンをSave後、画面右下のContinueがクリック出来るようになります。

    ここから設定内容の適用や最終処理が開始されます。

    0%から開始をして、100%になるまでは約20分でした。これでアプライアンス自体の初期設定は完全に完了しました。ここからはバックアップ対象となるvCenter Serverの登録などを行う工程に移ります。

AVEにvCenter Serverを登録する手順

上記の工程でAVEの初期設定は完了していますので、今度は”Avamar Web UI”からバックアップ対象とするvCenter Serverを登録します。

https://AVEのFQDNまたはIPアドレス/auiにアクセスをします。初アクセスなのでドキドキします。

ログイン画面が表示されました。先程設定をしたパスワードとユーザー名でログインします。

ログインを終えますと、ダッシュボード画面が表示されます。これからバックアップ対象のvCenter Serverを登録します。左側のツリー内の”Asset Management”からバックアップ対象を登録可能です。

バックアップ対象のvCenter ServerのFQDNを指定します。

vCenter Serverを管理する際の管理者ユーザーとパスワードを指定します。

Advancedオプションとコンタクト情報は今回は省略します。

情報入力を終えますと、以下のように最終確認画面が表示されます。

登録が完了すると、Finish画面が表示されます。

vCenter Server上に、AVEのプラグインをインストールしたい場合はAUI上から行います。
下図内の”System -> VMware Plugin”からインストール先のvCenter Serverを指定します。

インストール処理を終えると、以下のようにRegisterの成功を示すメッセージが表示されます。

vSphere Client上でも、画面上部にはプラグインのインストールを示すヘッダー、下部には内的に実行されたジョブの記録がロギングされています。

上記の画面の指示にあるように、インストールの結果をUI上に反映するために、ブラウザを更新すると下図のようにプラグインが追加された様子が確認出来ます。

プラグインは、以下のようにvSphere Client内にAUIが起動するイメージとなります。
ブラウザで開くのと比べて違いはありません。

今回は以上となります。将来的にこちらでバックアップとリストアの取得も行いたいと思っているので、
バックアップ編とリストア編もでき次第の掲載としたいと思います。

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