Dell EMC Avamar 環境のファイルベース リストア手順(Avamar Client編)

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Dell EMC Avamar 環境のファイルベース リストア手順(Avamar Client編)

Dell EMC Avamarでは、”イメージ バックアップ”と”ファイルベース バックアップ”の2種類の方法をサポートします。

本記事では、後者のファイルベース バックアップによって取得されたデータを使用したリストア手順について紹介します。なお、Dell EMC Avamarの場合、ファイルベース リストアは3種類の方法が存在し、今回はそのうちの1つである”Avamar Clientからのリストア”を紹介します。

ファイルベース リストアについて

ファイルベース リストアとは、ファイル単位でのデータ復元です。

例えば、”間違えてとある書類のファイルを削除してしまった!”のような場合に、そのファイルだけを復元することが可能です。

今回は、クライアントOSのデスクトップ上に保存された3つのPDFファイルを復元します。

まずは復元対象となるデータをゴミ箱に移動させます。(デスクトップ上に存在する3つのPDFファイル)

ゴミ箱にデータが移動されました。ここからリストアを実行してみましょう。

Avamar Clientからのリストア手順

  1. Avamar Clientのメニュー内の”リストア”をクリックします。(画面右下)
  2. ブラウザが起動し、Avamar Desktop/Laptop UIが起動します。
  3. Avamar Desktop/Laptopが起動しました。
    ここから復元したいデータを検索し、選択後復元が出来ます。
  4. 試しに、拡張子がpdfのファイルを検索してみます。
  5. デスクトップ以外にも、”pdf”の文字列が一致するファイルが表示されました。
    今回復元したいファイルを3つチェックボックスで選択後、画面左下の”リストア”ボタンをクリックします。
  6. リストアジョブが実行されます。
    画面左下の”リストア”ボタンの上に、僅かに”リストアしています…”の文字が確認できます。
  7. リストアが完了しました。
  8. データが復元されています。
    (ゴミ箱の中には、リストアジョブ実行前に削除した同一ファイルが保存されたままです。)

”参照”機能の使用

画面左にある”参照”を使用することで、復元対象となるOSのディレクトリ構造を参照しながらデータを探せます。今回はデスクトップに存在したファイルでしたので、以下のようにデスクトップのディレクトリを参照しても復元対象となるデータがあることを確認できます。

トラブルシューティング:Avamar Desktop/Laptopが起動しない場合(パススルー認証 失敗のシナリオ)

以下のように、Avamar Desktop/Laptopを起動しようとするとエラーメッセージが表示される場合があります。これはAvamar Desktop/Laptopへのアクセスの際にユーザー認証が動作し、それに失敗していることに起因します。

AvamarはDesktop/Laptop機能へのアクセスには複数のユーザー認証をサポートしますが、今回は私の環境で使用している”パススルー認証”の場合の対処について記述をします。

上記のメッセージは、Avamar自体がデフォルトで”ローカルユーザーアクセスを使用したパススルー認証”を拒否していることに起因します。この”パススルー認証を用いたアクセス”を許可すれば、クライアントOS自体にログインができていれば、Avamar Desktop/Laptopへのログイン操作不要で機能が使えるという状況になります。セキュリティの側面では防御レベルは低くなります。今回は検証環境であるため、こちらの”パスする認証を用いたアクセス”を許可してみたいと思います。

参考資料:Dell EMC Avamar 19.4 管理ガイド(Page 304)

 

  1. Avamarのローカルコンソールにログイン(またはSSHでアクセス)し、設定ファイル dltl.propertiesを探します。
    ファイル絶対パス:/usr/local/avamar/etc/dtlt.properties
  2. 試しにcatコマンドで中身を確認してみました。
    catコマンドの出力 5行目に、当該設定がコメントアウトされていることが確認出来ました。 
  3. viコマンドで編集します。こちらはviで当該ファイルを開いた様子です。

    下図の上から4行目を次のように編集しました。
    ・先頭の#を外して、コメントアウトを解除する。
    ・値=false を trueに変更
    上記編集を終えましたら、viを終了します(:wqで終了しました)
  4. 最後に、上記設定を反映させるためにdltlサービス(Desktop/Laptopサービス)を再起動します。
    実行したコマンドは次の通りです。
    ・dpnctl stop dtlt
    ・dpnctl start dltl

以上の操作以降、パススルー認証によるAvamar Desktop/Laptopへのアクセスが可能となります。

最後に

いかがでしたでしょうか。クライアント側からファイルの復元が出来るのはとても便利ですね。

パススルー認証については、あくまでも検証環境ということで許可してみましたが現場で使用するかどうかについてはセキュリティの側面からはあまりおすすめでは有りません。ご使用の際には他の認証形式の使用についてもご検討下さい。

 

コメント

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