最近Dell EMCでは新たなエントリーモデルのストレージとして、”PowerVault ME4”シリーズをリリースしました。
リリース間もないこともあり、まだまだ情報が少ない状況です。そこで本ブログ恒例の”ESXi ストレージ パスの見え方、考え方”シリーズで本ストレージを取り扱おうと思います。
さて、まずは恒例の物理トポロジーの確認からです。今回はFibre ChannelベースでのPowerVault ME4024という機種で検証を行いました。今回の構成図は次の通りです。
<ホワイトボード記述への補足>
- 1ホスト辺りFCポートはシングル構成(勿論高可用性のためには冗長化がより望ましい)
- スイッチもシングル構成(勿論高可用性のためには冗長化がより望ましい)
- オレンジの枠内の数字はWWNの一部を抜粋したものです
- SP=ストレージ プロセッサの略称です。人によってはRCM(RAID Controller Module)と呼ぶ人もいます。
本ストレージは2つのストレージプロセッサを2つ搭載しており、両方からLUNへのアクセスが可能です。ホワイトボードの図に従えば、緑、赤、青、紫の4つのケーブルがスイッチに伸びており、各ホストからは1つの結線だけが伸びているので、1ホスト辺り4パスが見えているはずです。
それでは本当にそうなっているか、vSphere上でのランタイム名を確認してみましょう。
- vmhba – FCアダプター上のポートを示す
今回の構成ではシングルポートのFC HBAです。vmhba3が、まさにこのコントローラーのポートだと確認が出来ます。恐らく複数枚のHBAを搭載した場合は、vmhba4など別番号が割り振られる形になると予測出来ます。
ということで試してみました。
2枚目のFC HBA(正確にはConverged Network Adapter)を搭載してみた図がこちらです。
緑がもともと搭載していたシングルポートのFC HBAです。
赤が追加搭載をしてみたデュアルポートのFC HBAです。(CNA)
ポート単位でvmhbaとしてそれぞれが独立した番号で管理されているのがわかります。
- Channel – 本製品の場合は特定のパスを識別するのには利用されていない模様
今回はいずれのパスでも共通のチャネル番号0番が割り振られています。
環境によっては、特定の範囲を本チャネルとして定義をしますが、今回の構成ではチャネルを用いて独立したパスを示す様子は確認が出来ませんでした。 - Target – Dell Storage MEのFCポートを示す
この事例では、本システムはTarget IDを使い、ストレージ ターゲットサイドのIOポートを区別していることがわかります。ME4のFibre Channelベースのコントローラーの場合、最大でシステム辺り8ポート(SP当たり4ポート)まで最大で構成ができるので、最大構成の場合は8種類のターゲット番号までが確認出来ることが予想出来ます。 - LUN – Dell Storage ME内のLUN(ボリューム)を示す
これは、他のストレージシステムとも同様で、ストレージ内部のボリューム(ホストにマウントする単位)の識別子である。
これらを総括して見ますと、次のようなレイヤー構造が見えてきます。特に右側の紫のvmhba/Channel/Target/LUNを意識してご覧頂くと、上図の解説がわかりやすいと思います。
物理ストレージシステムのIOポート自体が単一のターゲットとして振る舞うため、そこまでの道筋の番号をチャネルで表現しているのがDell Storage MEと言えます。
今回は以上となります。
おまけ:Dell PowerVault ME4の管理画面
今回のME4の管理画面です、管理画面名はMESMといいます。(ME Storage Manager)
上図赤枠内に全部で8ポートが確認出来ますが、今回リンクアップしているのは各コントローラー当たり2ポートずつです。(Converged Network Controllerというコントローラーで、2ポートはFC、2ポートはiSCSIという設定になっています)
マウスをアイコン上に乗せると、詳細がポップアップされます。ポップアップされたIDより、ポートレベルでのWWNが確認出来ました。
<追記>Youtube上で公開されているDell EMCの公式動画より、ME4ストレージへのiSCSI接続の紹介動画です。
本同が内の6分40秒のタイミングで、ランタイム名の確認が可能です。
ここで見た場合、FCの場合と異なり、ターゲットではなくチャネルによる識別でパスの違いを確認が出来ました。
プロトコルの違いにより表記のされ方に差異が出るようですので、この点は一つ注意点であると言えます。
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