VMware SkylineとDell EMC Support Assistの統合について
免責事項
本記事ではVMware及びDell EMCのサポート契約に関する契約内容に触れている記載があります。
これらのサービス内容は日々市場のニーズに応じて変化していきますので、記事の内容と実際の最新事情が一致しない場合がありますことをご容赦ください。(記事のリアルタイム更新をお約束できないため)
誠にお手数をおかけしますが、本記事はあくまでもこれらの企業が提供する同サービス群についての概要を把握することを目的にご覧頂けますと幸いです。
特に、クリティカルなインシデントを抱えているお客様が、いち早くその状況を打開するためのナレッジでは無いことをご承知ください。そのような場合は該当製品でご契約の保証窓口に速やかにご連絡をされることをおすすめします。
はじめに
今回の記事ではVMware社でDell EMCが提供する自動サポート機能それぞれについてご紹介します。
が、なぜこの2つを同じ記事で紹介しようかと思ったのかと言うと、次の記事が出たからです。
New Skyline Release: SupportAssist Integration, Log Assist for Horizon and More
VMware SkylineとDell EMC SupportAssistの統合?と書いてあります。記事の掲載以降、各所より私のところに質問が増えてまいりましたので、どなたにも均一のメッセージでお伝えするためにブログ記事を作成致しました。
VMware Skylineとは
Skyline Advisorという機能とSkyline Log Assistという2つの機能を総称して、VMware Skylineと言います。
Skyline Advisor
VMware社に環境情報を送付することにより、問題が発生する前に、プロアクティブなサポートを受けることが出来るというサービスです。具体的にはSkyline Collectorというログ収集及び送付アプライアンスを経由してVMware社にログを送付出来ることと、この結果をSkyline Advisorというビュアーを通じて以下のように環境の評価情報が閲覧出来るということなどが挙げられます。
Skyline Log Assist
VMwareのサポートエンジニアが、必要に応じて利用者の環境のログ採取が出来るという機能
この取得は環境管理者の承認を持って取得、転送が行われます。ログの受け渡しにかかる工程や時間が短縮されます。
利用条件
本サービスの利用には次の要素が必要となります。
- サポート対象の保証契約(本ページ内に詳細あり)
- Skyline Collectorアプライアンスの展開
- CEIPの有効化
サポート対象の保証契約については、ProductionまたはPremier相当の契約が必要です。
サポート対象製品
本機能でサポートされる製品は、2020年3月時点では次の製品です。こうしたサポート対象製品も省ら定期に変更される可能性がありますので、常に公式情報をご確認ください。
VMware – Skylineより抜粋
Dell EMC SupportAssistとは
Dell EMC SupportAssistは、Dell EMC サービスが提供するプロアクティブな製品サポートをのためのソリューション名です。障害の発生をトリガーとして、ログの自動収集、Dell EMC サポートへの送付及びサポートエンジニアの自動アサインを伴う自動通報機能を提供しています。(要件を満たす保証契約が存在する場合)
クライアントパソコン製品とエンタープライズインフラストラクチャ製品両方に、本ブランドによるサポート機能が存在します。クライアントパソコン用のものとエンタープライズインフラストラクチャ用のものでは、若干の特徴の違いがありますので、今回はエンタープライズインフラストラクチャ向けのものにフォーカスして説明を致します。
障害自動通報機
SupportAssistの機能をフル活用すれば、上記の動画で解説もありますように、障害をトリガーとしてログ収集、送付、サポートエンジニアからの折返し連絡を受けることが可能です。
利用条件
本機能を利用するには、2つのポイントがあります。
- サポート対象の保証契約(本ページ内に詳細あり)
- ”SupportAssist”ソフトウェアが実装されていること
1.については、Dell EMCのサーバ製品やストレージ製品などで”プロサポート”または”プロサポート・プラス”の保証契約が有効であることをが必要となります。
上記の内容は”SupportAssist Enterprise 4.0 ユーザーズガイド“から抜粋しております。
2. については、いくつかの方法でSupportAssistソフトウェアの実装方式が用意されています。
- パターンA SupportAssist on Dell EMC iDRAC(PowerEdge 12世代以降)
- パターンB SupportAssist Enterprise
- 4.0系以降は仮想マシンアプライアンスベース(SUSE Linux Enterprise Serverベース)
- それ以前はWindowsまたはLinuxにインストールするソフトウェア型)
- パターンC SupportAssist on Dell EMC OpenManage Essentials
それぞれの使い分けについての詳細は本記事では割愛します。手短に申し上げるとすれば、パターンごとで監視出来る対象製品、範囲が分かれると思って貰えれば良いです。
どれを使っていただいても、上記で解説しているサービスを受けることができます。
メリット
本サービスのメリットは、ハードウェアの障害の際にDell EMCサービスに電話をしなくても、自動的にサポートエンジニアから電話またはメールでコンタクトがあるということです。
障害に気がつくのが遅れて、時既に遅しとなるのは避けたいものです。
また障害が起きて困っている際に、電話がつながらないというのも心情的ににあまり気持ちが良いものではありません。そうしたケースでも最短でサービスを受けられるという利点があります。
考慮事項
SupportAssistの自動通報機能を利用するには、ログをDell EMCのサーバに送付するためのWAN接続が必要です。このためSupportAssistを実装しているコンポーネントにインターネット回線の展開が必要となります。
勿論この接続にはプロキシサーバーを経由した保護も利用が可能です。
2つのソリューションの統合について
簡潔にお伝えすると、現在はSupportAssist上のビューからは、Skylineでのサポートを受けているvCenterかどうかがわかるという機能のようです。
下図では2つのvCenter Server環境が以下のSupportAssistで検出されていて、下の方のvCenter ServerがSupportAssistで検出されており、Skylineでのサポートを受けているという表示です。
一方で、こちらの図ではVMware Skyline Advisor上の図にて検出されているESXiホストが、Dell EMC SupportAssistにて監視されているかどうかが示されています。
正直な所、相互の連携をもたせることで新たなサポートが提供されているフェーズではありません。今後連携をすることで受けられるメリットがより増えてくればなと期待が膨らみます。
関連リンク
VMware KB – VMware Skyline Frequently Asked Questions (55928)
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