Dell EMC Avamar 環境のファイルベース バックアップ手順

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Dell EMC Avamar 環境のファイルベース バックアップ手順

Dell EMC Avamarでは、”イメージ バックアップ”と”ファイルベース バックアップ”の2種類の方法をサポートします。本記事では、後者のファイルベース バックアップの手順について紹介します。

Dell EMC Avamarのファイル バックアップ概要と要件

Avamarでファイルベース バックアップを実行する場合、”Avamar Client”と呼ばれるクライアントソフトウェアをバックアップ対象となる仮想マシンにインストールする必要があります。このエージェント ソフトウェアを使用することで、イメージバックアップのようにハードディスク全体の取得ではなく、その中のフォルダやアプリケーションなどの細かいレベルでのデータバックアップを実現しています。

なお、バックアップの種類には”イメージ バックアップ”と”ファイルベース バックアップ”の2つがありますが、Avamarはこの両方に対応しています。

両バックアップの違いについては、ネットワールド様のサイトで解りやすく紹介されているものがあります。www.networld.co.jp

ファイルベース バックアップ手順 – Avamar AUI上からの実行手順

  1. Avamar AUIにログインし、バックアップ対象となる対象仮想マシンを選択します。
    画面左の”資産管理”をクリック後、画面右のドメインの一覧から選択します。

    今回は、vCenter Server環境内にある仮想マシン”Backup-test”を対象として選びます。


  2. 次に、対象となる仮想ハードディスクを選択します。
    ファイルベースということも有り、ドライブレターなどのファイルシステム関連の情報も確認ができますね。
  3. バックアップの保存期間指定を行います。
    今回もテストバックアップなのでデフォルト値のままで進めますが、使用者の方は必要に応じて値を設定します。
  4. その他のオプションの設定を行います、こちらも同様にデフォルトで進めます。
  5. バックアップジョブの設定が完了しました。この段階で既にバックアップが動作しています。
    バックアップジョブの進行の様子は、本AUI左側”アクティビティ”から閲覧も可能ですが、クライアント側からも確認が出来ます。

バックアップ ジョブ実行中のクライアントの様子

こちらはバックアップ ジョブ開始直後のバックアップ対象の仮想マシンです。
エージェントによるポップアップが現れ、バックアップ進捗を表示してくれています。

ここからジョブの完了まではひたすら進捗バーの進行と取得中のファイルパスが表示されるだけですので画面キャプチャは省略します。

バックアップが完了すると、以下のようにポップアップが表示され進捗バー表示画面が消えます。

Windowsに組み込まれたAvamar Clientを起動するとジョブの実行履歴、開始時間、経過時間、取得サイズ等について以下のように表示できます。

ファイルベース バックアップ手順 – Avamar Client上からの実行手順

Avamar ClientがインストールされたWindows上からバックアップを実施したい場合は、
次のようにクライアントが持つメニュー内の”今すぐバックアップ”から実行できます。

Windowsの右下トレイアイコン内にAvamar Clientのアイコンがあります。
下図のように起動することで、使用可能なメニューを確認できます。


上記のクリック後、すぐに以下のようにバックアップジョブが実行されます。

Avamar Client側からのバックアップ命令時のトラブルシューティング

Avamar Clientをインストールするのみであれば、Avamar AUIからのファイルベース バックアップは実行可能ですが、Avamar Clientからのバックアップは以下のように失敗します。

上記のメッセージが発生した場合、Avamar AUI上から”バックアップ ポリシー”構成後から、クライアント側からのバックアップが可能となります。

バックアップ ポリシーの構成手順
  1. Avamar AUI上の左側”バックアップ ポリシー”を選択後、右側の”追加”からバックアップ対象のWindowsを追加します。

  2. ポリシーには1つ以上のバックアップ対象を追加可能です。
    まずは管理用のポリシー名を指定します。それ以外の値はデフォルトの値で進行しています。 
  3. 次にポリシーに含めるバックアップ対象の選択です。
    今回は1台だけを含めますので、仮想マシン”Backup-test”を選択して次に進みます。
  4. 続いてバックアップ取得の方法に関しての指定です。
    データセットという呼称で、データの取得方法に関する詳細設定を制御可能です。
    図内右上のプルダウンである”データセット”では、WindowsやLinux、Oracle RMANなど多岐にわたるクライアントの種別が存在します。本項目もデフォルトの値で進行します。
  5.  次はスケジュール指定です。
    本ウィザードではスケジュール構成が必要ですので、一番上のプルダウンに用意されているデフォルト スケジュールを選んでみます。

    こちらがデフォルト スケジュールの1つであるDaily Backupの設定です。

    ユーザーはここでデフォルトで存在するスケジュールまたは任意のスケジュールを構成することが出来ます。
  6. 最後がデータのリテンション ポリシーです。
    どの程度の期間バックアップデータを維持するかを指定します。
    こちらも設定値の入力が必要ですので、プルダウン内に用意されているデフォルト値を使用して進行します。

    プルダウンでデフォルトの保存ポリシーを設定しました。


    ポリシーに設定してきた値の最終確認です。
    今回はバックアップ ジョブの検証ですので、皆様の場合はご自身の環境に合わせましょう。 

以上の作業を終えたら、Avamar Client側からのバックアップ命令が動作します。

手順紹介は以上となります。

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