無償で使えるVeeam Backup & Replication Community Editionを使ってみた【01. 準備編(ダウンロード、システム要件)】
本シリーズ記事では、バックアップソリューションベンダーの1つであるVeeam社の”Backup & Replication”について取り扱います。
ブログの著者はDell Technologiesの所属ですが、どうして他社製品の記事を書く機会を設けたのかというと次のことが理由です。
- お客様の目線に立つということは、視野が広いことが望ましい
- 特に同社の本製品はユーザーも多く認知度が大変高い
- 一個人として、この製品はなかなか良くできているととても関心を持っている
- Dell TechnologiesのDell EMC PowerProtectとの連携が出来る
こうした複数の理由から本製品に関する記事を書こうと連載をスタートするに至りました。
製品概要
製品名は、”Veeam Backup & Replication”と言います。
よく略称では”VBR”と呼ばれているものが多いですので、当ブログでもそう呼ぶことが多くなるでしょう。
個人的な感覚ですが、VMware社が”vSphere Data Protection(VDP)”の提供終了以降頃から特に同社の名前を見ることが増えたような気がします。VDPは無償で使用可能なバックアップソリューションでしたが、それ以降は特にVMware vSphere環境を取り巻くバックアップ業界は多くのユーザーの注目を集めたことだと思います。同ニュースについてはこちらの記事を参照ください。
Veeamに限らず、他にも有名で信頼性が高いバックアップソフトウェアは世の中に多く存在しますが、同社のVBRが広く認知されている理由は価格の優位性と使いやすさ、多機能な点があるようです。
(もちろんこれは他の側面もあるでしょうし、見る人によっては上記の次第ではないかもしれません)
下図は、私の環境にインストールをしたVBRです。Windows OS上にインストールする方式です。
コンソールを見た感じ、環境の様子も大まかにわかりますし、個人的にはMicrosoft OfficeっぽさがUIからかじられます。良い意味で、他の製品っぽさはソフトウェアに対して直感的な操作感を高めてくれる要素になると思います。
私も、これまでいくつかのバックアップソフトを使用しましたが、VBRのUIは直感的で特別なトレーニング無しにもすぐ使用できたので、”お、やるな、Veeam”と思った次第です。業界的に見ればライバルという側面もあるのですが、当社のDell Technologies PowerProtectとの連携も出来るので、またあるときはパートナーという視点もあるので、個人的にも今後注目し続けて行きたいなと考えています。
Veeam Backup & Replication Community Editionとは?(10台までをバックアップ保護可能)
Veeam社では、有償製品である”Veeam Backup & Replication”を”Community Edition”という形で無償提供しています。以下のサイトから入手が可能です。(要ユーザー登録)
Community Editionという考え方は、他のベンダーにもありますが、多くの場合は本番環境での使用へは消極的であることが多い一方で、同社の場合は本番環境でも使用可能であることがWebページ上でも記載があります。(しかしながら機能上の制限やサポートの有無の違いはありますので、ここは本番と言えどそれらの必要性は熟考の上Community Editionを使用するかどうかを決めるべきです)
Community Editionと製品版との違いはこちらにあります。上位機能が使用出来ないのはもちろんですが、一番の注目は”10台のワークロードまでを保護出来る点”が注目でしょう。
私の場合は、自宅のラボ環境でのバックアップをどうしようかと途方に暮れていたのですが、しばらくはバックアップを取得したいマシンは10台未満ですのでこれで十分だなと思っています。本来なら自社製品であるDell EMC Avamarで行きたい所はありますが、90日間限定の評価版のみですから継続的な運用ができません。Dell Technologiesが今後AvamarのCommunity Editionでも出さないかと思っています。お願いします、開発チーム辺りに届け。
システム要件
バックアップ製品の提供方式には、次の2つが主にあります。
- アプライアンス型
予め提供ベンダーがソフトウェアが入ったOSイメージを配布、または物理アプライアンスに導入済みで提供する形式 - ソフトウェア型
指定されたOS上に、製品をインストールをして使用する形式
VBRは後者のソフトウェア型であり、Windows OS上への展開が必要です。
システム要件はこちらを参照ください。(サイト内のリリースノート、へアクセスしましょう)
以下は、VBR v10のシステム要件です。
Server OSだけでなくClient OSまでもがインストール先として対象なのはポイントです。
VBR導入と構成のベストプラクティス
同社のブログ内で、VBR環境の展開についてベストプラクティスが紹介されています。
内容については以下にアクセス下さい。
次のような疑問に対して、選定のヒントが得られると言えます。
- 物理インストールされたWindowsにVBRを入れるか、仮想マシン上のWindowsにVBRを入れるか
- パフォーマンスを得るためのリソースアサインについて
- バックアップサーバとの依存関係があるサービスを見据えた配置
以上となります。次回以降は続編として、NFRライセンスについてご説明を致します。
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