VMware系エンジニアがMicrosoft Azureについて学習してみた(1)【Azure クラウド基礎講座編】
はじめに
今回の記事掲載については、主催であるマイクロソフト 担当講師様及び会場管理の方に次のことを許可を頂いております。
- ブログ記事による本イベントの掲載をすること
- 写真撮影(撮影内容には、一般参加者様の個人情報や公開不可情報が載らないこと)
この場をお借りしまして、素敵なイベントを開催頂いたマイクロソフト様に個人的にお礼を申し上げたいと思います。
まえおき:わたしとMicrosoft
私のことをDell入社当初から知っている人は段々少なくなってきていますが、私は元々Windows Serverのエンジニアです。
もう失効しているMCSE2003….contoso.comには大変苦しめられたよ(わかる人だけわかるネタ)
入社のスタートはDellのデスクトップ製品のOptiPlexやVostroという機器のサポートエンジニアでしたが、それ以降PowerEdgeサーバーのハードウェアエンジニアから、Windows Serverのシニアエンジニアに転向しました。
私が現在のような認定資格ホルダーのきっかけになったのは、MCPとの出会いがあり、そこからスキルを形にするという習慣が付きました。サポートしていたのはOEMサポートとしてのWindows Server 2003から2008R2くらいで、Active DirectoryやHyper-Vなどをやっていました。そういう背景もあり、自身でドメイン構成をしたり、DNS、DHCP、ファイルサーバーなど、Windows Serverで一通りのメジャーなサービスは構成が出来る状態です。
参加の目的
完全に個人の興味学習として参加をしました。ITインフラの構成も時代が進むにつれて、
クラウド化から始り、今ではパブリックとプライベートの両クラウドの併用による“ハイブリッドクラウド”以外にも、複数のクラウドサービスを併用した“マルチクラウド”も徐々に一般化しつつあります。
製品やカルチャーがアップグレードされていく中、自分自身のスキルセットについても閉鎖的ではなくオープンであるべきと考えていますので、今回は通常業務で触ることが現在は殆どないであろうAzureを学んぶことで、他社を知り、またそれによって自社製品の魅力の再認識や市場動向を学習しようと思ったことがきっかけです。
本イベントは下記のツイートにも紹介しているようにConnpassというIT勉強会についてのまとめプラットフォームから参加申し込みを行いました。
上記のツイート上のリンクからは2020年2月14日開催分のリンクにアクセスとなりますが、本イベントはそれ以降も複数回計画されていますので、参加をしてみたいという方はぜひ上記からアクセスされてみてはいかがでしょうか。
会場の様子
- 会場は、品川のマイクロソフトオフィスのお隣のビルで開催
ということで朝の品川はこんな感じ、まぁいつもこんな感じですよね。
そしてせっかくなのでマイクロソフトオフィス本社前、ツイートの内容はとある有名なクラウドデベロッパーアドボケイト氏から引用….
さて、ここからは会場の様子です。TKP様の広めの会議室での開催でした。
講義についての概要は次の通り
- 講義時間はAM09:30 – PM 4:00
講義参加自体も事前予約制ではありますが、講義終了後にそのまま試験受験も可能です。
こちらの席数も限りがあるので先着順となります。 - 受講生の数は80名ほど/1セッション
- 1名の講師で登壇、日本語での提供
- 1時間程度の講義に対して10分から15分くらいの休憩、ランチ時間は12時から13時
(私自身も講義登壇する時には、ほぼ同じペースでコースを進行します) - 各受講者には、受講者キットとして紙媒体の教科書、アンケート用紙が配布されました。
また本講義の目玉である本トレーニング対応のバウチャーコードも用紙で配布がされました。
ちなみに黒線を引いているのは、配布されたバウチャーコードです。後日こちらを使ってピアソンVUEから予約をして受験しようと思います。
試験 AZ-900: Microsoft Azure Fundamentalsについて
後述しているトレーニングの内容からも感じていますが、AWSのクラウドプラクティショナーのような試験だという印象でした。AWSもAzureもですが、まず第1に提供サービス数の多さが最初のチャレンジだと言えます。以下にこれらのサービスの概要と各機能の特徴、利用ケース、制限事項を押さえられるかがポイントだと言えます。
ちなみに、過去の私のAWSクラウドプラクティショナー受験記はこちらから参照頂けます。
AWS クラウドプラクティショナーを既に取得済みの私としては、違和感なく今回のトレーニング受講に取り組めました。
講義の様子と感想
受講者が揃い、定刻からトレーニング開始しました。
最初の30分はMicrosoft Azure固有の話ではなく、クラウドとはなにか?の復習から始りました。NISTが提示している5つのクラウドの要素、パブリック、ハイブリッド、プライベートの違い、XaaS系用語のおさらいなど。私も最近Dell EMC VxRailのAssociate用講義でもほぼ同じ話をしているので、この辺は完全に復習セッションでした。意外とNISTが定義するクラウドの5大要素を知らない人が多いので、もし知らないなぁという方は以下のリンクをご覧ください。2ページ目に記載がありますのでぜひご覧ください。
クラウドの復習を終えると、そこからいよいよAzureの基礎に入りました。
ちなみにAzureとは色の名前であり、こんな感じの空色、海色だそうです。
(色コードは以下Wikipediaで参照)
同様のパブリッククラウドとしては、AWSやGCPと同じ考え方のところも多くありますが、講義の中ではそれらと同じ点と相違点を比較しながら進行をしていただけました。
また、各章末に実試験を想定した練習問題セッションもあり、問いかけのイメージや回答を見出すまでの考え方を学ぶことが出来ます。講師の方も、試験の出題のされ方には若干のクセがあるという事をおっしゃっていたりと、リアルな対策講座だなという印象でした。(こちらの内容については講義外への持ち出しは禁止のため言及いたしません、ご容赦ください)
また講師によるデモンストレーションも含まれているため、実際の操作イメージが大変し易い。
こちらはMicrosoft Azure Technical Trainer 原田様によるBot Serviceのデモのストレーション
僅か2-3分程度で簡単にチャットボットを作成するというデモでしたが、私にとっては未知の領域でしたのでとても興味深かったです。
さて、トレーニング自体の難易度ですが、クラウドインフラを学ぶ方向けの入門編です。
とは言え、次のような事が説明できるようになってから参加をされた方がベターです
・サーバーとは何か?コンテナとは何か?
・ストレージとは何か?HDDとは何か?SSDとは何か?アーカイブとは何か?
・ネットワークとは何か?IPアドレスとは何か?サブネットとは何か?OSI参照モデルとは何か?
・冗長化とは何か?可用性とは何か?
・リージョンとは何か?ゾーンとは何か?
例えば次のスライドではAzure ネットワークで取り扱われる主要サービスの紹介がされていますが、ファイアウォールが何であるか、ロードバランサーが何であるか、L4/L7とは何かが理解出来ている必要があります。
またこちらのスライドでは、ストレージで保存されるデータの特性についてが紹介されています。
私もこれらはストレージのセッションで取り扱うので、クラウドとは言え、ハードウェアで培った知識がそのまま適用出来るな、と再認識した次第です。
上記で、各種データ特性を理解した上で、Azureが提供するストレージサービス及びどのデータに適しているかの解説が入ります。試験としてはこうしたユースケースや各機能の得意分野をおさえる事が重要だとの事です。
試験を受けられるかどうかの基準の一つとして、自分なりに各種サービスについて説明ができるか、というのはスキルチェックとして良いのかもしれません。
ここまでは私も得意なインフラ系の話で固めてきましたが、私自身がとてもおもしろく感じたのは、普段の業務で取り扱わないIoTやAIなどの領域についてデモンストレーションも交えてお話を伺えた事です。
AzureにはIoT、Bigdata、Machine Learning系のサービスがあり、まずはそれらが何であるかから解説へ入りました。勿論各用語の意味合いやコンセプトは知っていますが、残念ながら業務上直接的にそれを使う事が無いため、私にとってはまだまだ習得すべきスキルが多い領域です。
例えば以下の図では、機械学習のサービスの紹介デモが行われました。
まず人間がパンの画像をAIに学習をさせます。(これはフランスパン、これはメロンパンなど。これをトレーニングと言う)
その後AIがトレーニングによって学習をしたデータを元に、画像検索を行えるようにするという機能です。
Googleフォトなどで、人が写った写真を保存していると、”この人とこの人は同じ人物ですか?”とたまに表示され、それに答えると先々写真をアップした時に、同じ顔の人の写真をまとめて表示してくれる機能は、きっとこういう機能を利用しているのでしょうね。
話を聞きながら思ったのは、トラブルシューティングのログという文字データを、AIにトレーニングして、パーツ交換に至ったケースとそうでないケース、のように判断させるような使い方ができそうな気がしますね。
ということで、このように各種サービスの利用ケースをデモンストレーションを含めて体験出来た事は、私にとって非常に大きな価値がある出来事でした。Azureが何であるか、何が出来るのか、どこが他のパブリッククラウドと同じで、どこで差別化をしているかとが分かりました。
私個人の意見としては、AWSやGCPと違い、Microsoftの場合は圧倒的なブランドとしてWindowsとOfficeがあるため、これらを活かしたサービスとの展開は他社との比べて特徴を出しやすいと思います。
またクラウド上に配置するドメインコントローラーである”Azure Active Director”は、働き方改革などでも注目を浴びるテレワークなどにも対応出来るような認証基盤としても使えると思いますので、この点でもオンプレミスでActive Directoryを使っている企業にとっては検討の余地があるでしょう。
こんな風にインフラストラクチャの構成についても自由度が年々増しているのも、クラウドの特性の1つにある”伸縮性”という特徴のおかげかな、と思います。
どんな人に向いている講義か
受講をしてみて感じたのは次の通りです。
- パブリッククラウドとは何かを体系的に学びたい方は参加をすべき
- 機械学習やAIなどが何かを体系的に学びたい方は参加をすべき
- ITにおけるインフラの最新事情を学習したい人は参加をすべき
逆に、本記事内で示したようなITインフラにおける基礎知識をこれから身につけるという方は、それを身につける前に参加をしてみてもいいとは思います(周りにどんなエンジニアの人がいるかだったり、空気感を味わいことにも意味合いがあると言えます)
関連URL
- Microsoft Learn(マイクロソフトのサービス学習サイト)
- Microsoft Learn – Azureの基礎
- 試験 AZ-900: Microsoft Azure Fundamentals(対応試験概要紹介サイト)
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