オンプレミスインフラエンジニアのためのMicrosoft Azure入門 – リージョンとアベイラビリティゾーン

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オンプレミスインフラエンジニアのためのMicrosoft Azure入門 – リージョンとアベイラビリティゾーン

はじめに

本シリーズは、Microsoft Azureを中心にパブリッククラウドについて手短に学ぶ事を目的にした記事です。

既にウェブ上にはテーマに関する優れたコンテンツも多くありますので、どちらかといえば私自身の言葉で説明をすることも意識はしつつ、いくつかおすすめのURLを掲示する“まとめサイト“的な位置付けを目指したいと思います。

今回は、パブリッククラウド環境について理解をする上で基本となる“リージョンとアベイラビリティゾーン“という2つの単語の意味合いについて紹介します。

リージョンとは

直訳すれば、“地域“という英単語の意味です。

通常オンプレミスデータセンターの環境の場合、ほとんどの場合はその使用者や管理者の組織の施設内にデータセンターを展開します。

それ以外の選択肢では、ホスティングサービスを利用し、国内外のデータセンターにラックスペースを間借りするという方法もあります。

パブリッククラウドの環境の場合は、既にクラウドプロバイダーが地球上のさまざまな場所にデータセンターを展開、保有、管理をしています。

パブリッククラウドを使用してサーバやサービスの展開を行う場合、ユーザーは“どこのリージョンで環境を構築しようか“ということを意識する必要があります。

日本国内のリージョンは?

日本国内には、Microsoft Azureのためのリージョンが2つあります。1つは東日本リージョン、もう1つは西日本リージョンです。

リージョンの選び方

全世界には多くのリージョンが存在しており、これらの中から目的にあったリージョンを選ぶ場合、次のような要素が主要な判断基準となります。

  1. 価格
  2. アベイラビリティゾーンの数
  3. 使用可能なAzure サービス
  4. リージョンペアの有無

基本的には、サービスのユーザーが特定地域に集中している場合はそのユーザーに近いリージョンを選ぶのは分かり易いケースです。

それ以外では、検証目的のためにAzureを使用したいのであればなるべくコストが低いリージョンを選ぶというのもありです。

実環境では上記のような単発の理由での判断ではなく、複合的な視点でリージョン選定を行う必要があります。その際は、次のガイドが役に立ちます。Azure リージョンの決定ガイド – Microsoft Azure

アベイラビリティゾーンとは

直訳すれば、“可用性ゾーン“という意味です。

アベイラビリティゾーンは、1つ以上のデータセンターの単位です。
上にある引用図にも“One or more data centers”と記載があります。

例えば、2022年4月現在 東日本リージョンは3つのアベイラビリティゾーンを持つリージョンです。あるサービスを展開する場合に、次の選択肢を持つことができます。

  1. 単体のゾーン上にサービスを1つだけ展開をする
  2. 2つのゾーン上にサービスを1つずつ展開する

前者はコスト優位性がありますが、ゾーン全体が災害などの影響を受けた場合はサービス停止となります。

後者は上記とは反対で、ゾーンレベルの障害耐性はありますが、その分コスト高となります。

全てのリージョンに対して、このアベイラビリティゾーンが存在しているわけではありません。アベイラビリティゾーンに対応しているリージョンんのことを“アベイラビリティゾーン対応リージョン”と呼びます。

またアベイラビリティゾーン間は高速ネットワークが用意されているため、複数のアベイラビリティゾーンに跨る機能を使う場合でも、この点はがボトルネックにならないよう配慮されています。(RTT 2msec未満)

Azureのデータセンターってどんなところ?

そもそもセキュリティ対策のため、具体的な住所については開示されていません。Azureのデータセンターが備えている設備や機能については次の情報が参考になると言えます。

Azureの施設、建物、および物理上のセキュリティ – Microsoft Azure

また、ずいぶん昔の記事ではありますが当時日本マイクロソフトにご所属だった澤円氏によるAzureデータセンターのトリビア記事もなかなか面白かったです

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